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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
序章
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あるが、型の要求通りに正しく動くことができれば動きの質が変化する。
肉体ではなく神経レベルで戦える身体≠ノなるのだ。
常人がその動きに反応するのはむずかしい。
もちろん表面の動きだけを似せるだけではだめだ。そのような形骸化した型稽古にはなんの意味もない。
型稽古というのは型の動きをおぼえるのではなく、型を通して戦いの動きをおぼえることに真の意味があるのだ。
ただ型をなぞるような練習はせず、その動きを自分のものにすることが目的なのだ。
秋芳の脳裏にひと月前に戦った鬼の姿が浮かぶ。
(術なしで戦うとしたら、どうするかな・・・・・・)
鬼や鵺やといった形を持った霊災の中には、通常の弾丸や刀剣を弾くほどの頑強な皮膚を持った種も存在する。
そのような個体にも気を乗せた攻撃。発剄と呼ばれるような攻撃方法なら、素手でも致命傷を与えることが可能だ。
さらに人型の動的霊災は比較的倒しやすい。人体の構造や弱点が人間のそれと同じ場合が多く、急所をつきやすいからだ。
地閃龍尾で金的や膝関節を攻めて姿勢を崩す。上体が下がったら飛燕連環腿を水月にぶち込み、とどめは顔面に虎吼掌破だ。もし背中を丸めて水月が隠れてるようなら角を引っつかんで穿腿提膝で顔面を潰す……。
実戦を想定しつつ、ひととおりの型を演じ終え、ひと息つく。
「べつに演武を披露しているわけじゃないだけどな」
先ほどから視線を感じていた物陰にむかって声をかける。
「え!? あ! ご、ごめんなさい。べつに盗み見するつもりはなかったんだけど……」
Tシャツにランニングスカート姿の少女が姿をあらわす。
(うお、乳でけぇ。スイカっつうかメロンっつうか、とにかくでけぇ)
長い巻き毛と大きな胸が特徴的な、まだ十代の少女だ。
くっきりとして整った目鼻立ちにくわえてスタイルもいい。女性誌のモデルや男性誌のグラビアを飾ってもおかしくないようなルックスにもかかわらず、下品な派手さやキャバい印象を感じさせない。
「いや、べつに責めてるわけじゃないんだ。そっちも朝練かなにかかな? ずいぶんと走り込んだみたいだね。陸上部?」
少女の泥だらけの運動靴を見ながら――あえて胸には視線をむけずに――話しかける。
「ううん、部活動はしてないわ。ちょっとムシャクシャしたことがあって、身体でも動かしてスッキリしようと思ったの」
「そりゃあいい、実に健康的だ。沈んだり倦んだりした時は運動して汗でもかくとスッキリ発散できるからな」
言いつつペットボトルの水を頭からかぶり、かいた汗を流す。暦の上では秋とはいえ、まだまだ残暑の厳しい季節。水をかぶって風邪をひく心配もない。
剃りあげた頭を流れ落ちる水を見ながら少女が聞く。
「あの、
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