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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
序章
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「どうしたの? 悪い報せ?」
「土御門夜光の転生者と思われる者が陰陽塾の生徒にいるそうだ。俺たちは講師と生徒として塾に潜入し、そいつを見つけ出し、狂信的な夜光信者らに害されないよう、賀茂の手で身柄を確保。保護し、お連れしろ。だ、そうだ」
「えー、それって誘拐じゃない。さらった後はどうするつもりなの?」
「さあな、そこまでは言ってない。宗家の年寄りどもに大胆な真似ができるとも思えないし、あんがい言葉通りに保護してやって、土御門に恩を売る算段だったりな」

 自分だったらどうだ?
 どうする?
 もし土御門夜光の転生者を見つけたら?

(喰霊の儀式呪術をもって夜光の持つ力と知識だけちょうだいする。あるいは転生者を傀儡にして夜光の力を我が物にする……)

 いずれにせよ容易ではない。下手をすれば我が身と魂を失うことになりかねない。

「まぁ、いいさ。問題は俺らが陰陽塾に潜入する段取りの部分だ」
「どこが問題なの?」
「宗家は俺とおまえを講師と塾生という役でそれぞれ潜らせようと考えているようだが、おまえがただの陰陽師志望の人間でないことなんて一発でわかるだろうな。その正体も、誰かの式神ってこともな」
「ああ、うん。そうだね。天下の陰陽塾だもの。そこらへんのセキュリティは万全だよね」
「そうだ。照魔鏡(しょうまきょう)の類で調べられたら一発でアウトだ。だからおもえも同行するとしたら最初から俺の使役式として紹介しておくべきだろう」
「ふんふん」
「それとなんで俺が講師役なんだ? 一塾生でいいじゃないか」
「え? そりゃあ一般生徒よりも先生のほうがなにかと活動範囲が広いし、秋芳の年齢的に――」
「俺はいくつに見える?」
「二十五歳」
「いや、それはおまえが俺の実年齢を知ってるからそう思うんだろ。パッと見で、俺はいくつに見える?」
「……二十歳」
「いやいや、もうちょい若く見えるだろ。十七歳とか、高校生で通用するレベルにさ」
「えー、高校生はさすがに無理が――」
「ない。俺は今だに店で酒を買う時に身分証の提示を求められることがよくあるんだ。若い証拠だぜ」
それは誰が相手でも年齢確認するという店の決まりなのでは。と思ったが口にはしない笑狸。
「俺は誰かにものを教える、先生なんてガラじゃあない。俺もおまえも一般生徒として陰陽塾に入るべきだ。……ガキの時分から修行修行でまともな学校生活ってやつにゃ無縁だったからな。いっぺん学生ってやつを体験してみたかったんだ。いい機会だぜ」

 賀茂秋芳、二十五歳。たった今、本人が言った通り幼少の頃より厳しい修行に明け暮れた日々を過ごしてきた反動か、成人してからは酒をはじめ諸々の娯楽をたしなむ、享楽的な性格になっていた。

「……秋芳と一緒に学校生活かぁ。うん、いいかも。面白そう
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