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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
序章
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形。
物理的に姿を隠すのみならず、気配を絶ち、その場に居ながらにして他者にその存在を感知させない術だ。
秋芳の学んだ呪禁の術では、これを禁感功と呼ぶ。
「……で、その倉橋のお嬢さんを無事に送って行ったわけ?」
「ああ、さすがは天下の陰陽塾だ。入り口に二体の機甲式が配置されててな、贅沢なこった」
横浜港に数ある倉庫のいっかく。秋芳たちが寝床にしている場所だ。
明日からは陰陽塾男子寮に移るので荷物の類はダンボール箱にまとめられ、ずいぶんと殺風景な中、 秋芳と笑狸。二人して大皿に盛ったナポリタンをつついている。
意外に知られていないがナポリタン発祥の地は横浜だ。
今夜が横浜最後の夜ということで、別れを惜しみ、こうして横浜名物を賞味している。
「壁や天井。地下にいたるまで大小無数の防御結界がほどこされていてな、あれをくぐるのはちょいと難儀だろうな」
「秋芳の壁抜けでも?」
禁壁則不能遮。
壁を禁ずれば、すなわち遮ることあたわず。
そのようなものが呪禁の術にはあるのだ。
「う〜ん、壁抜け自体はできても気づかれるだろうな。穏形しながらあの結界を抜けるのはできないな」
「じゃあ遅刻厳禁だね。きちんと正門から入らなくちゃ」
「そうだな。さすがに時を禁じる。てのは今の俺には無理だ」
「ところでその倉橋の京子お嬢さんだけど、秋芳とのフラグ。立っちゃった?」
「おお、立っちゃったんじゃねえの? なんせ半魚人持ちしたわけだしな。俺の人生で始めてだぜ、あれをしたのは」
「秋芳ひどい! ボクにもお姫様抱っこしたの忘れたの?」
「お姫様抱っこ言うな。半魚人持ちだ。……だいたいあの時おまえ狸だったじゃねぇか。獣を抱きかかえるのと、人を抱きかかえるのじゃ全然ちがう」
「それじゃあ今から抱いてよ。ボク、秋芳にお姫様抱っこされたいな〜♪」
「嫌だ。男を抱きかかえて喜ぶ趣味は俺にはない」
キッパリと、そう断言する。
「じゃあ秋芳の好みの女の子に化けてあげる」
「なにに化けようがおまえはおまえだろうが。やめろ」
「誰がいい? イリーナ・シェイク? ジゼル・ブンチェン? シェリル・コール? 佐倉綾音?」
「最後の一人だけジャンルちがくねぇか? つうか化けるな」
「ちがくないよ、みんなおっぱい大きいじゃない」
「おお、そうだな。ひょっとしたら日本人の佐倉が一番でかい乳してるのかもな」
「秋芳おっぱい大好きだもんね。 そうだ、おっぱい三つのあやねるになってあげる」
「なにそれ『トータル・リコール』のミュータント娼婦? ますますいらんわ」
「じゃあ、いくよ〜。変――」
「禁術則不能発、疾く!」
「ぶはっ!?」
術を禁ずれば、すなわち発することあたわず。
発動しようとし
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