ダン梨・I
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使っているせいで痛そうだった。
「普通にポーション使えばいいのに」
「勿体ないだろ、高いんだからポーションは」
「このまえ僕にケチるなって言ったのは誰だっけ?」
「危険度の度合いと優先度を考えろっつーの。こんな傷程度に原液使う程俺たちはブルジョワじゃないぞー……いつつ」
「ほら、動かないで。治りが遅くなるよ」
僕がリリを助けたいと言い出したから、バミューダはこうしてる。
もしも僕がレベル3ぐらいの強さがあったら、バミューダはもっと直接的な殴り込みも考えただろう。でも僕には力がなく、更には知恵も仲間も足りなかった。だから今、身の程を弁えなかった分の損がバミューダに降りかかっている。
「強くならなくちゃ」
バミューダと僕では、僕の方がステイタスの伸びがいい。だけどその力はまだちっぽけで、バミューダの策謀に役立つレベルではないようだ。今までバミューダとの冒険でそれほど苦労を味わってこなかった僕は、この時になって自分のちっぽけさを思い知らされた。
人を助けるには、それに見合った力が必要だ。
リリを助けるのも――バミューダを助けるのも。
ごめんなさい、おじいちゃん。僕はハーレムより先に成長を取ります。
= リリルカ・アーデの独白 =
リリとしては――適当に話に乗りつつも適当なタイミングでこの集団から抜けるつもりだった。
しかしあのベルとかいうカモり易いのは人のため人のためとお為ごかしのようなことを言い続けて勝手にリリを庇い、バミューダとかいうのはリリの浅はかなファミリア脱出計画が浅はかであることを遠回しに看破し、変身魔法を使う暇もなく気が付けばリリは「みんなで幸せになる計画」とやらに組み込まれていた。
バミューダ・トライアングル――年の割には頭が回るようだ。少々粗を探してみたが、詰める理論は詰め、はっきりしない部分は推論を交えつつ調査して確かめるというスタンスは大胆に見えて慎重だ。そんな彼は、ベルと違って「取引」を持ちかけた。
「俺はベルと違って打算とか大好きでね?ぶっちゃけた話、うちのファミリアに専属のサポーターが欲しい」
「つまり、都合よくコキ使える人材が欲しいと?」
「うん。ただし待遇に要求があれば相談に乗るし、割に合わないと思ったら夜逃げしてもいいよ。ウチのファミリアに君1人を追跡する余裕はないからね」
「へぇ……ちなみに魔石の分の儲けの9割がサポーター持ちって言ったら?」
「厳しい条件付きで可。ドロップやレアアイテム目的の遠征と、魔石以外の儲けが7割超えてる時ならそれでもいいよ。ギルド仲介で誓約書書いてもいい」
この回答には少し驚いた。普通なら「ふざけるな」と殴り飛ばされてもおかしくない滅茶苦茶な吹っ掛けに対して、本当に厳しい条件だが「
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