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雲は遠くて
133章  乃木坂小学校・合唱団の子どもたち
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ほど、のどを下げておくこと、
声帯も胸のへんにあるとイメージしておくとよいこと。

 歌うときのポジションや(しん)は、常に、胸や腰のあたりの、
低い、深い位置にキープすること。そんなイメージが大切だということ。
高い音というものは、お腹の力をうまく使って出すものだということ。

 そして、のどや声帯にけっして負担がかからないようにすること。
いつも気持ち良い範囲で歌うこと。

 ギターの弦も無理に引っ張ると切れてしまうように、
のどや声帯も、無理は禁物(きんもつ)だということ。

 ヴォーカリストにとっては体は楽器だということ。
声帯で生じた声を、体に自然な感じで共鳴させて、美しい音色を得ることなど。

 日々の練習が大切だということ。

そんなことを、信也は子どもたちに、ユーモアをまじえて楽しく笑わせながら、話した。

 日も暮れる午後の5時、子どもたちと信也たちの、楽しいひとときが終わる。
近い日に、必ず、「またこの店で会おう」と、再会を約束し合った。

 詩織と二人だけの、家路へ向かうクルマの中で、信也は、ふと、こんなことを話した。

「乃木坂小学校って、かわいくって、いい名前の小学校名だよね、詩織ちゃん。
よく思いついたよね、心菜(ここな)ちゃんと、由紀ちゃんのふたりで。
現実にありそうな小学校名だけど、不思議と無いんだよね。あっはは」

「そうよね。かわいい名前だわ。心菜ちゃんと、由紀ちゃんって、『乃木坂46』が大好きで、
それで思いついたって言ってたわ。うふふ」

「乃木坂って、東京の赤坂にある、ごく普通の坂なんだけどね。
なぜか、おしゃれな感じの、かわいい名前だよね。あははは」

 二人を乗せた、トヨタのハリアーは、イルミネーションにきらめく夜の街を走り抜ける。

☆参考・文献・資料☆

『ヴォーカルの基礎』  著者 福島英(ふくしまえい) (株)リットー・ミュージック

≪つづく≫ --- 133章 おわり ---

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