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雲は遠くて
133章  乃木坂小学校・合唱団の子どもたち
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男女も、子どもたちの付き添いで店に来ている。
午後4時には、子どもたちを連れて、
親御(おやご)さんたちの待つ撮影所に(もど)る予定なのだ。

乃木坂小学校の合唱団の団員数は、30名だ。
3年生は6名、4年生は8名、5年生は7名、6年生は9名。

 『クラッシュビート』のオーディション選考で、
そのモデルが川口信也の、主人公役の信也の役を射止めた、福田希望(ふくだりく)は、
小学5年の11歳だ。

 映画の中の11歳の信也の、親友の女子生徒役の永愛(えま)の役に決まった、
白沢友愛(とあ)は、小学4年の10歳だ。

 希望(りく)友愛(とあ)のふたりには、ここに集まる子どもたちの中もで、
格別なオーラのような、スター的な輝きがある。

「しんちゃん、さっそくなんですけど、子どもたちに、歌の歌いかたのコツとかがあったら、
簡単でいいんですけど、教えてあげて欲しいんです」

 みんなは好きなのドリンクとかを飲みながら、歓談して、落ち着いたころに、
合唱団の先生役の沢口貴奈(きな)は、テーブル席の隣の信也にそう言った。

「まだ、子どもたちは、変声期とかのからだの成長が激しい、
真っただ中かもしれないからね。無理をして、声を出したりしたら、ぼくも心配なんですよ。
まあ、そう思って、子どもたちに、歌いかたの教本を持ってきました。
今持ってきますね!」

 そう言うと信也は、クルマから、福島英(ふくしまえい)が著者の、
『ヴォーカルの基礎』という本を持ってくる。

 そして、子どもたちに全員に、プレゼントとして、その本を配った。
持ってきていた。

 福島英先生は、東京都渋谷区千駄ヶ谷で、現在も、
ボイストレーニングのブレスヴォイストレーニング研究所を開設している。

 信也は、ユーモアをまじえて、子どもたちを笑わせながら、歌いかたを話した。

 お(なか)から声を出す感じで、大ざっぱにとらえて、
腰回(こしまわ)りが(ふく)らむようなイメージの、全身呼吸のイメージをしながら、
腹式呼吸で歌うとよいこと。

 腰は、体をささえて、立つ、歩くという支点の(かなめ)であること。
歌うときも、腰は(じく)(しん)とイメージするとよいこと。
そんな深いポジションをイメージするとよいこと。
リズムも、腰で刻むとよいこと。

 自分で吸うのでなく、空気が入ってくるようにするような、
鼻呼吸と口呼吸を分けない、そんな全身呼吸のイメージの自然体の呼吸がいいこと。

 歌う際には、首や肩の力みに注意して、
常に上半身の力は抜くこと。猫背もよくないこと。

 高い音域になるほどに、つい上がってしまう声帯やのどでは、
お腹から声は出ないのでよくないこと。
高い音
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