第二十四話 ロイエンタールの憂鬱
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第二十四話 ロイエンタールの憂鬱
帝国暦478年6月30日
■オーディン 帝国軍士官学校 リヒャルト・オイゲン
今日は先輩方の卒業式だ、ビッテンフェルト先輩とも此でお別れと思うと寂しい気分がする。
ああ見えて良い先輩だった、自分にとって良い人生経験になったと思うが胃薬と友達になってしまったが其れは仕方がないと諦めた。
ビッテンフェルト先輩のお陰でワーレン先輩やロイエンタール先輩と知り合えたのだから悪いことは忘れよう。
ロイエンタール先輩も一時はテレーゼ様の事で総スカンを食らったが、その後デマだと解り嫉妬する奴が減ったが、まあ冗談交じりに未だにロリエンタールと呼ばれてはいるが、話してみると良い先輩だった。
しかし最近ロイエンタール先輩の伯父が伯爵でテレーゼ様の侍従武官にロイエンタール先輩を押しているとの話が流れて、再度ロイエンタール先輩に対する風当たりが強くなってきている。
酒の席で先輩に聞いたが、絶対にならない前線へ行きたい万が一侍従武官の辞令が来たら任官拒否して実家経営の鉱山へ住み込むつもりだと切実に話してくれた。
あの真剣な表情は本物だが、みんなは信じないだろう先輩ご愁傷様です。
■オーディン 帝国軍士官学校 オスカー・フォン・ロイエンタール
さあ待ちに待った卒業だ!此でオーディンから離れられる。
あの伯父が俺を悪魔の侍従武官に出来るように運動したらしいがそんなことはさせんよ。
校長に直訴して帝国の為に前線勤務を願い出たら、校長は非常に満足げに頷いていた。
万が一近衛や侍従武官の辞令が来るなら任官拒否して実家経営の鉱山へ住み込むつもりだ。
俺ながらウキウキとしながら講堂で式典が始まる前に今回は軍務尚書は用事で来れないらしく、次官が来ると話が伝わってきた。
そして式典が始まり列席者が紹介されたとき、俺は悪魔を見た!
奴だ奴が居る、なぜ此処にいる!
悪魔の姿を見た同期達は一斉に拍手を行いはじめた。
まあ良いだろう、彼処に座っている限りは俺には関係ないのだから。
式典が始まり上位10人まで恩賜の短剣を授与される事に成っているが、事もあろうにあの悪魔が授与するらしい。
俺は目の前が暗くなった何故なら俺はクラスヘッドだったのだ!
俺はそのまま腹痛で逃げようとしたくらいだ。
俺たちが一人一人呼ばれ短剣を授与される、悪魔の前に立ち短剣を渡された。
にこりとして『おめでとうございます』とごく普通に言われてホッとした。
式典が終わるまでは何か仕掛けてくるのではないかと思いながらビクビクしていたが何もなかった。
しかしである、なぜか式典が終わり謝恩会で鶏冠頭やワーレン達と話していたとき、
後
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