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翠碧色の虹
第十八幕:ふたつの虹へ重なる虹
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ように思えます☆」
時崎「高月さんは、七夏ちゃんの先輩なんだよね?」
七夏「はい☆」
時崎「部活かな?」
七夏「いえ、笹夜先輩とは今年の春、私が小説の事で調べたい事があって、音楽資料室で・・・」
凪咲「七夏、ちょっといいかしら?」
七夏「あ、はーい! 柚樹さん、いいですか?」
時崎「ああ」
七夏「ちょっと、失礼しますね☆」

七夏ちゃんは、凪咲さんの所へ・・・。
七夏ちゃんと高月さんは、音楽資料室で出逢ったのだろうか?
ある事が頭を過ぎる・・・七夏ちゃんの事を訊くのは躊躇っていたのに、高月さんの事は七夏ちゃんにすんなり訊いている・・・まあ、これは本人に直接訊いている訳ではないからなのだが、天美さんや高月さんと仲良くなれば、七夏ちゃんの事をもっと知る機会は自然と増えるだろう。
七夏ちゃんが「俺は知らないと思っている事」を、俺が事前に知っていると、七夏ちゃんはどう思うだろうか・・・。
午後からは七夏ちゃんたちと海へお出かけなので、俺も準備のため、自部屋へと戻る事にした。

 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

この街の海へは前にも出かけた事がある・・・その時、七夏ちゃんの水着と帽子を買った事を思い出す。そう、七夏ちゃんの水着姿は、今のところ俺の記憶にしかない。出来れば凪咲さんに渡すアルバムに添えたい所だ。

出かける準備を進めながら、そんな事を考える自分に違和感を覚える。

・・・俺は、人物の写真撮影を避けていたのではないのか!?

七夏ちゃん、天美さん、そして、高月さんの写真は、撮影したいと思うようになってきている。俺の気持ちが変わってゆくように、七夏ちゃんの写真に対する思いも良い方向に変わってくれる事を願う。
さて、写真機の電池、予備の電池の充電も完了している。写真機のメモリーカード内のデータをMyPadに移動させておく。これで、メモリーカードの残容量も十分確保された。写真関係以外でも何か持ってゆく物が無いか確認しておいた方が良いかも知れない。

俺は、一階へ移動した。

時崎「七夏ちゃん! それは!?」
七夏「えっと、今日のお昼用にと思って☆」

七夏ちゃんは「サンドイッチ」を作っているようだ。前の「おむすび」の時みたいに手伝おうかと思ったが、既にほぼ作り終えているようだ。

凪咲「柚樹君。ちょっといいかしら?」
時崎「はい!」

凪咲さんに呼ばれ、改めて今日のお礼と、お願いをされる。女の子三人だけで海へ出かける事は色々と危険な要素もあるから、その点について気をつけてほしいと頼まれた。これは言われなくても分かっているつもりだけど、昨日、高月さんがナンパされた事を考えると、本当に気を配らなければならないと思う。

七夏「柚樹さん!」
時崎「七夏ちゃん、どうしたの?」
七夏「お昼のお弁
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