第十八幕:ふたつの虹へ重なる虹
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笹夜「心桜さん・・・昨日、あんなに沢山食べていたのに・・・」
心桜「昨日!? あーそう言う事かっ!! ようやく分かったよ!」
七夏「笹夜先輩! 梨はどうですか? あっさりしてます☆」
笹夜「まあ! ありがとう♪ 七夏ちゃん♪」
七夏ちゃんは笹夜先輩にデザート用の果物を持ってきたみたいだ。
心桜「えーと、お醤油、お醤油・・・」
天美さんが、お醤油を探しているのに気付いた高月さんは、前屈みの姿勢で手を伸ばし、お醤油を取ろうとする。その時、高月さんの服の一部がお料理に触れそうになり−−−
時崎「高月さん! 危ない!」
笹夜「きゃっ!」
俺は咄嗟に高月さんの服を手の甲で押さえたが、勢い余って、あろう事か、高月さんの「柔らかいの」に触れてしまった!
時崎「あっ! ご、ゴメン! 高月さんっ!」
笹夜「・・・いえ・・・」
これは気まずい! どうするっ!?
心桜「笹夜先輩が、お醤油取ってくれようとして、お兄さんが、笹夜先輩の服を守ったって事だよね!」
時崎「え!? あ、ああ」
笹夜「時崎さん・・・すみません」
時崎「いや、こっちこそ」
心桜「んで、笹夜先輩の服を守った、お兄さんに与えられた報酬が、柔らかい笹夜先輩の−−−」
笹夜「こ、心桜さんっ!」
心桜「あははっ!」
笹夜「時崎さん・・・ありがとう・・・ございます」
時崎「いや・・・申し訳ない」
笹夜「・・・はい♪」
時崎「天美さん、ありがとう!」
心桜「ん? 何が?」
天美さんの言葉に助けられた・・・自分の事に対しては鈍くても、他人への気遣いはとても鋭い・・・七夏ちゃんとは、また違う、ストレートな気遣いだ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
心桜「うー、ちょっと食べ過ぎたー」
笹夜「心桜さん、昨日も同じ事を・・・」
心桜「だって、美味しいんだもん!」
七夏「くすっ☆」
時崎「七夏ちゃん! ごちそうさま!」
笹夜「ごちそうさまでした♪」
七夏「はい☆」
心桜「つっちゃーゴメン! あたし、ちょっと部屋で横になるよ」
笹夜「私も、お部屋に戻ります♪」
七夏「はい☆」
心桜「んじゃ!」
笹夜「失礼いたします♪」
天美さんと高月さんは二階へと上がってゆく。
時崎「七夏ちゃん!」
七夏「はい!?」
時崎「天美さんと高月さんは、風水によくお泊まりに来るの?」
七夏「えっと、ここちゃーは、夏休みに毎年ですけど、笹夜先輩は初めてです」
時崎「そうなんだ」
七夏「はい☆ どうかしましたか?」
時崎「天美さんと高月さん、反応が違ってたから」
七夏「笹夜先輩とは出逢ってまだ三ヶ月くらいですので」
時崎「え!? そんな風には見えなかったけど?」
七夏「くすっ☆ 私も笹夜先輩とは、もっと前から一緒だった
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