第十八幕:ふたつの虹へ重なる虹
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ゃんは、夕日の光で顔がよく見えなかったけど、挨拶で私の前に来た時、その瞳に驚いたわ」
心桜「やっぱり、最初はそうなりますよね」
笹夜「ええ。だけど、私はその事を敢えて言わなかったの」
心桜「どうしてですか?」
笹夜「人と違う特徴に気付いても、安易に言わない事・・・その特徴を本人が気に入っているかどうか分かるまでは・・・」
心桜「それって、笹夜先輩にとって髪の・・・」
笹夜「・・・・・」
心桜「あ、すみません」
笹夜「いえ・・・私・・・七夏ちゃんが自分の髪の事を話してきたら、私も訊いてみようかなって・・・でも、七夏ちゃんは話してこなかったの」
心桜「つっちゃーなら、そう・・・なる・・・か」
笹夜「ですから、私は七夏ちゃんの瞳の事は言わない事にしたの。その方が七夏ちゃんと、これから先も繋がってゆける気がして・・・」
心桜「初対面時の言葉って、その後に大きな影響を与えるって事ですよね?」
笹夜「そうですね。私が良いと思った事でも、本人にとっては良い事かどうか分からないから・・・かしら?」
心桜「本当に見てほしいのは、そこじゃなくて・・・って事ですよね?」
笹夜「・・・・・はい♪」
−−−−−当時の回想2−−−−−
笹夜「調べたい事は見つかったのかしら?」
七夏「えっと・・・その・・・」
七夏ちゃんは、読んでいた本・・・小説に登場する作曲家の事について調べようと思って音楽資料室へ来たらしいの。でも、そこで作曲家の事を確認する為に小説を読み始めて、そのまま小説の世界へ・・・という事だったみたい。七夏ちゃんが読んでいた小説を見て、また驚いたわ・・・それは、私が読んでいた小説と同じだったの・・・。
笹夜「フレデリック・フランソワ・ショパン・・・かしら?」
七夏「え!? ど、どおして!?」
七夏ちゃんは目を大きく見開いて驚いていたけど、その綺麗な瞳に改めて驚いたわ。
私は、さっき自分が読んでいた小説を、七夏ちゃんに見せました。
笹夜「これ・・・かしら?」
七夏「あっ! はっ! はい!!!」
笹夜「あなたも、この小説、好きなのかしら?」
七夏「はい! でも、小説では音楽の事までよく分からなくて・・・この小説の少女さんがよく聴いているショパンさんの事について、少しでも分かればと思って・・・」
笹夜「なるほど♪」
私は、七夏ちゃんがショパンの音楽がどんな音楽なのか・・・恐らく、聞けば一度は聞いた事がある曲だと思うのですけど、この小説でよく書かれている曲のピースを本棚から取り、七夏ちゃんに見せてあげました。
七夏「えっと・・・それは?」
笹夜「ピアノピースです!」
七夏「ぴあのぴーす?」
笹夜「ピアノの楽譜の事です♪」
七夏「あっ、楽譜! はい☆」
笹夜「ショパンの有名なノクターン」
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