第30話 隠密偵察
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「ナガトー! 次はあの店に入ってみるネ!」
「あぁ、わかった」
普段の巫女衣装とは違うニットのワンピースを着て一般市民のような格好で、特徴的な髪飾りだけは普段通りに頭に装着してはしゃぐ金剛と、艤装を外してズボンにジャケットを羽織ったラフな格好で歩く長門。二人はシャボンディ諸島の偵察という名目で、様々な店を見て回っていた。
提督と一緒に過ごす事、それからショッピングが大好きな金剛。本当は一緒に提督と来るのが一番の願いだったけれど、任務という事なので仕方なくデートは諦めた。
その代わりに今は、同僚艦である長門と一緒に目一杯ショッピングを楽しんでいた。建造されてすぐに島を防衛するという任務を任されていた彼女は、海の外へと行く機会が無かった鬱憤を晴らすという目的もあった。
一方、長門はショッピングなんかにうつつを抜かしていてもいいのかと、楽しんでいる今の時間に対して少し罪悪感を感じていた。だが、偵察任務という役目を果たすために怪しまれないように振る舞わなければならない。そのために偽装行動としてショッピングをしている風を装うために、振る舞いに慣れているらしい金剛にすべて任せて、彼女の行動に合わせて動いていた。
二人はシャボンディ諸島にある店を買い物をしながら回り、しっかりと情報集めにも勤しんでいた。そして奴隷オークションが開催される日程や、商品となるであろうと予定されている奴隷についての情報を聞き出すことには成功していた。だが、この島へとやって来た目的である肝心の3人娘、ハンコック、サンダーソニアとマリーゴールドという名の少女達については詳しく聞けていなかった。
シャボンディ諸島は今、奴隷オークションが開催されるために集まって来ていた天竜人達の護衛の為にと海軍兵がとにかく島の各地に駐在していた。そんな厳重警戒の島の中でも金剛と長門はバレないように振る舞い、何事もなく過ごせていた。
見た目は普通の女の子。神威島の防衛が中心任務で外に出ていなかったことが幸いして、顔も世間には特に知られていない二人だったので、駐在している海軍兵と何度かすれ違ったが呼び止められることもなく、普通にショッピングを楽しめていたのだ。
***
偵察という名のお店巡りを一段落させた金剛と長門、今は飯屋へと入り二人で夕食をとっていた。
「味は美味しいが、少し物足りないな」
「やっぱり食事は、ホウショーとマミヤが作るのが一番ネ」
なかなかの値段がするランクが高めの食事処だったが、二人の口には合わず鎮守府の味が恋しくなる金剛と長門。たまにする外食は美味しいけれど、毎日では飽きてしまう。結局、自分の住む鎮守府の味が一番だという結論に、二人は達していた。
「おい姉ちゃん、二人で寂しく飲んでないでコッチに来いよ
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