第30話 隠密偵察
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」
「奢ってやるぜ、ギャハハハ」
なんだかんだ言いつつ食事の時間を楽しんでいる二人に下品な声を掛けたのは、髭面にスキンヘッド、筋肉モリモリなマッチョマン等の見た目がいかつい6人の男たちだった。彼らは容貌の優れた金剛と長門に厭らしい目つきを向けながら、低劣な笑い声を上げていた。
「このポテトサラダは美味しいネ」
「肉もいい感じに焼けている。これは、まぁ美味いな」
しかし声を掛けられた金剛と長門の二人は、男たちの声が聞こえているにも関わらず一切を無視して食事と会話を続けた。その態度に一気に激昂する男たち。
「おい聞いてんのか、いう事聞かねえと女だからって痛い目見るぜ」
「ワタシの好みは、もうちょっとお肉は柔らかめネ」
「火は中までしっかりと通っている。まぁ十分だろう」
男の一人が凄んでみせるが、二人はやっぱり声を無視して肉談義を始めた。店に居た他の客達は、その対応にヒヤヒヤとした気持ちで状況を見守っていた。誰も彼も巻き込まれるのはゴメンだと、助けに入ろうとしなかったが。
「おいコラ! コッチに来いって言ってんだろうが」
短気な男は怒鳴り声を上げて座っていたテーブルから乱暴に立ち上がると、指をポキポキと鳴らし威圧しながら、ドスドスと足を鳴らして金剛に近づいた。だがしかし。
「テイトク以外のオサワリは、ノーなんだからね」
「ぐひゅ」
金剛の肩に無遠慮に手を伸ばした男は次の瞬間には、情けない声を上げて地面にうつ伏せで倒れていた。
打ち倒したのはもちろん金剛だった。男の顎を一発殴り抜いて、男を地面へと叩きつけたのだ。しかし、叩かれた男はもちろん、周りで見ていたギャラリー達も何が起こったのか理解出来ないでいた。女の子の金剛がまさか反撃するなんて思わず、彼女の起こした事態を信じられなくて男がドジを踏んで倒れただけだと思い込んだのだった。
「ブハハハっ! おい、何やってんだよっ」
「なに床に寝転んでんだ、酔いすぎだぜ。クックック」
「くそっ。この女っ! 早く来いってんだよ」
仲間達は地面に倒れた男の滑稽な姿を見て、笑い声を上げて野次っていた。笑われた屈辱に震えながら、急いで地面から立ち上がって再び金剛と長門にも手を伸ばす。
「しつこい」
「ぐうっ」
だが今度は長門の拳骨が男の顔を叩きつけて、あっさりと男は気絶させられるのだった。殴られた男は手足をピンと伸ばした仰向けになって、口からは泡を吹いて倒れていた。
本来の長門の力ならば簡単に身体ごと吹き飛ばせるが、だいぶ力を抑えての一撃だった。それでも男はあっけなく気絶していたが。
「おい、テメエら誰に手を出しているのか分かってんのか」
「先に手を出してきたのは、そっちだろうに」
ようやく金剛
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