第六章 Perfect Breaker
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してか知らんが具合が悪そうだ」
そういって、そこらに転がっているバスケットボールほどの岩を持ち上げる。
重そうにしているが、振り上げて落とすのには不自由しない。
「ま・・・て・・・ハァ・・・・それでは・・ハァ、ハァ・・・・お前は永遠に」
「そうだ。俺にはもう元の世界に戻る手段はない」
そうだ。
蒔風はもう、あの世界に戻れない。
あの仲間たちのもとへは戻ることができない。
この時間で、彼は死ぬしかないのだ。
「は・・・ははは!!なんだ。結局心中するしかないわけだ・・・・」
「・・・・・・・」
「俺はアーカイヴに接続していたんだぜ?俺がこうして未来を一度経験している以上、「次の俺」は未来を読めるはずだ!!」
「ああ」
「つまり、お前のこの行動は全くの無駄だ。なにせあの瞬間、お前を引きはがせればお前は勝手に消えるんだからな!!」
ゴッッ!!!
セルトマンの言葉ごと、文字通り叩き潰すように蒔風が岩を振り下ろした。
思った以上に固い頭蓋骨は簡単には砕けず、一撃で絶命はさせられない。
「お前は負ける」
ゴッ
「どうしても無意味だ」
ゴッ
「ここで何を手にいてれも」
ゴッ
「「アーヴ・セルトマン」に」
ゴッ
「敗北はない」
ゴッ
「無駄だ」
ゴッ
「ここで」
ゴッ
「お前・・・」
ゴッ
「お゛・・・わ・・・」
ゴッ
「俺h」
ゴッ
「完・・・せ・・・」
グシャ
一面の黄土色。
気休め程度の茶色と緑。
その世界に、濃い赤が付け加えられた。
一人は地面に倒れ、一人はのそりと起き上がる。
ボトリと、持っていた岩を落として、しばらく放心する。
そして
空に向かって、声を漏らした。
大声で叫ぶそれを聞く者はおらず、ただただ男の哀しみは空へと吸い込まれていく。
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それから男は、地面に転がるもう一人を引き摺って、そこから見えた森へと入った。
距離はあったが、時間には余裕がありすぎている。
そこで、男は動かない男を分解し始めた。
目当てのものは、簡単に見つかった。
それを記憶のうちにしっかりと留め、死体を埋め、その場を後にした。
長い旅が、始まる。
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