第六章 Perfect Breaker
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上がる。
セルトマンの膝が蒔風の腹部に叩き込まれ、必死にはがそうとするが蒔風は離れない。
そして、そのまま渦に飲まれて
「ダメですッッ!!すぐにセルトマンを放して―――――」
(それじゃあこの渦は消えちまう!!この男は、確実に!!確実に倒さないといけないんだ――――!!)
叫ぶアリスに対し、しかし蒔風はそれを伝えることなく、思うだけに止める。
そして、蒔風は
ゴゥッ―――――シュォッ
セルトマンとともに、渦に消え散ってしまった。
「蒔風・・・・・・」
そして、その空を
ただ一人、アリスが見上げて涙を流した。
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無限の渦の中にいた。
洗濯機の中か、若しくは乱気流の中に放り込まれたかのようだ。
上下左右もわからず、だたどこかの方向に向かって飛ばされていることだけはわかる。
しかし、かき回される平衡感覚では、それが瞬時に右だったり下だったり斜めだったりと回転していく。
その中に、蒔風とセルトマンはいた。
バチバチと時折光るのは稲妻か、時空転移の反応か。
蒔風はセルトマンを放さないとがっしり掴んでいたが、セルトマンからすれば凄まじいGによって離れられないというのが正しかった。
そんな流位を続けて、どれだけの時間が過ぎたか。
1時間だと言われればそんな気がするし、思い直すと一分だったかもしれない。
二人はいきなりあいた穴からその急流から放り出され、ついに外へと跳びだした。
ドシャリと地面に倒れ、よろよろと立ち上がる二人。
呼吸が整うまで、立ち上がっても二人は何も言葉を発しなかった。
そして
「何をした」
「・・・・翼人は世界を渡る。世界と時間の密接な関係性は知っているな?」
これは、幾度も言われるものだ。
要はパターンAとBの行動があった場合、世界はそれだけ分離する―――所謂パラレルワールドというものだ。
「故に、翼人だって時間は超えられる・・・・ま、俺はそこらへんやったことないから、とにかく全力で来たけどな」
そう。
世界転移はともかく、時間転移となると大変なことになる。
パラレルワールドの転移ならば、隣の平行線に飛び乗ればいい。
だが、この場合は逆走するのだ。通常以上の力が必要なうえに、扱いもデリケートとなる。
そんなものと、ぶっつけ本番でやったのだ。
あれだけの乱気流も仕方がないというもの。
「ははは・・・それで?」
なるほど、理解した。
だが、それがいったい
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