暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
ペルソナ3
1877話
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臆病のマーヤに次の行動を取らせる余裕を与えたが、幸いと言うべきか臆病のマーヤの動きはそこまで早い訳ではない。
 身体を触手状にして伸ばし、そのまま真田を殴ろうとし……だが、その一撃が放たれるよりも前にヘルメスが飛ぶ。
 どうやら、ようやく順平がペルソナを召喚する事に成功したらしい。
 自分に近づいてくる人間とペルソナ。
 臆病のマーヤはそのどちらに攻撃するのかを迷い……やがて、次の瞬間には、真田の一撃がシャドウに向かって放たれ、シャドウの仮面は破壊されて致命的な一撃を与えた。

「よっしゃぁっ! やったぜ!」

 それを見て順平が喜びの声を上げるが……

「油断するな、まだだ!」

 有里の鋭い声が周囲に響く。
 そう、その言葉は正解。
 真田が倒した臆病のマーヤはともかく、もう1匹の……最初に有里が牽制した方の臆病のマーヤは、まだ倒した訳ではないのだから。

「分かってる!」

 一撃で臆病のマーヤを倒した真田はそう叫び、召喚器を手に取る。

「ポリデュークス!」

 その声と共に召喚されたのは……何と言えばいいか、マッチョなペルソナとでも呼ぶべき存在だった。
 ……そう言えば、真田のペルソナを見るのは何だかんだとこれが初めてだったか?
 ペルソナはその人の願望とかが反映されるとか、そんなのだったか?
 ともあれ、現れたペルソナはその巨体に似合わぬ速度で体勢を立て直した臆病のマーヤに近づき……一気に踏みつけた。
 いやまぁ、大きさの差というのもあるんだろうが、ちょっと予想外の光景だったな。魔法とかで攻撃するのではなく、まさか踏みつけるとは。
 圧倒的な質量差がある事もあり、臆病のマーヤはその一撃が致命傷となり、そのまま消えていった。
 こうして戦闘が終わったんだが……

「順平! 1匹シャドウを倒したからといって、戦闘の途中で気を抜くな!」
「……すいません」

 真田の叱責に、順平は頭を下げる。
 順平にとっては、ペルソナを召喚するのにも手間取り、ようやくペルソナを召喚してみれば、今度はその後の行動で叱られたのだ。
 当然のように、自分のミスに思うところはあるのだろう。
 だが、真田はペルソナの使い方で注意はしても、ペルソナを召喚するまでに時間が掛かった事を注意する様子はない。
 この辺り、ペルソナを使った初めての戦闘という事もあり、一応配慮はしているのだろう。

「取りあえず、その辺は場数を踏むしかないだろうな。それより、戦闘準備をしなくてもいいのか? 今の騒動が引き寄せたのか、またシャドウが来るみたいだが」
「何っ! 有里!」
「はい、すぐに戦闘準備を整えます。順平、しっかりして!」
「お、おう! お前に言われなくても、そのくらい分かってるっての!」

 有里の声
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