暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第六章 Perfect Breaker
Oneself/抑止力
[9/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
風のもとに戻ろうとも
たとえその先で蒔風が死に、新たな主を手に入れても

お前らが死にたいと思うだけ、何度も何度も殺してやる。


光の粒子を漏らしながら、消えていく天馬や獅子、玄武たちの身体を眺めながら、怒りの形相で振り返るセルトマン。


顔の周りには真っ赤な血管が浮き彫りになっており、とても人間とは思えない。
目はギラつき、歯は剥き出し、髪は逆立ってすらいるその姿は


「何が完全ですか・・・・本性は化け物・・・・じゃないですか・・・・」

ドスッ


率直な感想。
セルトマンのその姿を見て、青龍が漏らす。

だが、そういいながらも青龍は任務を果たす。


手にしているのは、白虎釵。
しかし、突き刺しているのはセルトマンの身体にではない。


「お前・・・・?」

「誹謗中傷・・・・失礼いたしました・・・・しかしこうでもしないと・・・・あなたは向ってこないでしょうし・・・・隙もつけませんでしたので・・・・」


突き刺しているのは、千切れたセルトマンの左腕と左脚。
地面に置き、白虎釵で二つまとめて突き刺していた。


「なにを・・・・」

セルトマンの表情が怪訝なものに変わっていく。
先ほどの形相がみるみる引っ込み、いつものセルトマンの表情へと変わっていく。


「白虎釵は・・・・我々の内で唯一の二本一対・・・・」

二つ合わせて白虎釵。
つまり、それぞれはつながっているのだ。

瞬間、突き刺していたセルトマンの腕と脚が消えた。

それと同時にセルトマンの砲撃が青龍の胴体に穴をあける。
しかし


「ゴブ・・・・ゲハ・・・・もう、遅い・・・・」

苦しそうに咳を漏らし、口から大量の血を吐き出して倒れていく青龍。
だがその顔は勝ち誇っており、ザラリと消えると同時にカランと白虎釵が落ち、それも消える。


「なにを・・・・まさか!?」

セルトマンが駆けだす。
先ほどの怒りはどこへやら。焦りを見せるセルトマンは、なんとなくわかっていた。

だが、だからと言って何ができるというのか――――



「蒔風!!」

「よう、セルトマン」


「EARTH」(仮)の前。
そこにたどり着いたセルトマンは、真っ先に見つけ出した人物の名を叫んだ。


蒔風。
そして、そのそばにいるのはアリスと凛だ。

その足元には魔法陣が展開しており、そしてその役割を終えたと言わんばかりに消えていく。



「まさか、貴様」

「ああ、もらったぜ。さすがだ凛。確かに三画、もらったぞ」


かざす手の甲。
そこには確かに、三画の令呪が。

見せつけるようにかざす蒔風に、しかしセルトマンは挑発的に笑う。

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ