第六章 Perfect Breaker
Oneself/抑止力
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風のもとに戻ろうとも
たとえその先で蒔風が死に、新たな主を手に入れても
お前らが死にたいと思うだけ、何度も何度も殺してやる。
光の粒子を漏らしながら、消えていく天馬や獅子、玄武たちの身体を眺めながら、怒りの形相で振り返るセルトマン。
顔の周りには真っ赤な血管が浮き彫りになっており、とても人間とは思えない。
目はギラつき、歯は剥き出し、髪は逆立ってすらいるその姿は
「何が完全ですか・・・・本性は化け物・・・・じゃないですか・・・・」
ドスッ
率直な感想。
セルトマンのその姿を見て、青龍が漏らす。
だが、そういいながらも青龍は任務を果たす。
手にしているのは、白虎釵。
しかし、突き刺しているのはセルトマンの身体にではない。
「お前・・・・?」
「誹謗中傷・・・・失礼いたしました・・・・しかしこうでもしないと・・・・あなたは向ってこないでしょうし・・・・隙もつけませんでしたので・・・・」
突き刺しているのは、千切れたセルトマンの左腕と左脚。
地面に置き、白虎釵で二つまとめて突き刺していた。
「なにを・・・・」
セルトマンの表情が怪訝なものに変わっていく。
先ほどの形相がみるみる引っ込み、いつものセルトマンの表情へと変わっていく。
「白虎釵は・・・・我々の内で唯一の二本一対・・・・」
二つ合わせて白虎釵。
つまり、それぞれはつながっているのだ。
瞬間、突き刺していたセルトマンの腕と脚が消えた。
それと同時にセルトマンの砲撃が青龍の胴体に穴をあける。
しかし
「ゴブ・・・・ゲハ・・・・もう、遅い・・・・」
苦しそうに咳を漏らし、口から大量の血を吐き出して倒れていく青龍。
だがその顔は勝ち誇っており、ザラリと消えると同時にカランと白虎釵が落ち、それも消える。
「なにを・・・・まさか!?」
セルトマンが駆けだす。
先ほどの怒りはどこへやら。焦りを見せるセルトマンは、なんとなくわかっていた。
だが、だからと言って何ができるというのか――――
「蒔風!!」
「よう、セルトマン」
「EARTH」(仮)の前。
そこにたどり着いたセルトマンは、真っ先に見つけ出した人物の名を叫んだ。
蒔風。
そして、そのそばにいるのはアリスと凛だ。
その足元には魔法陣が展開しており、そしてその役割を終えたと言わんばかりに消えていく。
「まさか、貴様」
「ああ、もらったぜ。さすがだ凛。確かに三画、もらったぞ」
かざす手の甲。
そこには確かに、三画の令呪が。
見せつけるようにかざす蒔風に、しかしセルトマンは挑発的に笑う。
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