第六章 Perfect Breaker
Oneself/抑止力
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蒔風の質問。
それに対し、バカにしてるの?と言わんばかりに凛が答えた。
「そうよ」
「相手の意思にかかわらず?」
「ええ。ま、その場合は激痛を伴うけど・・・って、んなことあんただって知ってるでしょ」
「――――まさか」
「ああ、アリス。そのまさかだ」
「え?」
「セルトマンの令呪を奪うぞ」
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「ガ・・・かっ!!カァー、ブェッ!!」
バタバタ、ドタン!と
地面に転がっていた何か黒いものが動き出して立ち上がった。
黒いものの正体は、炭化した人間だ。
だがその表面がボロボロと剥がれ落ちていって、その下からセルトマンの顔がのぞきでてきた。
「強烈ゥ〜・・・まさか全身炭化させられるとは思わなかった」
セルトマンがいるのは、「EARTH」の敷地内。
周囲には、内外を隔てる柵が転がっていた。
どうやらゴジラによって吹き飛ばされ、柵に当たってそれごとここまで吹き飛んで来たらしい。
だが彼自身はまだゴジラへの闘争心を失ったわけではないようで、立ち上がって首を鳴らす。
腕、足の筋を伸ばし、そして先へと進もうとして
「お前らだけで来るとはな」
背後に揃う、六人へと声をかけた。
「青龍、朱雀、玄武、天馬、獅子、麒麟・・・・あれ、白虎は?」
「彼は・・・・主のもとです・・・・」
「そうかい」
振り返って言葉を交わしたセルトマンだが、それだけ反してまた背を向けてしまった。
彼としては彼らよりもゴジラとの戦いのほうが重要ということだろう。
だが、駆けだそうとするその背に天馬が挑発的な声で語りかけた。
「ま、逃げんならそれでもいいけどよ」
ピタリ、とセルトマンの動きが止まる。
そして振り返り、背後の六人を睨みつけた。
「・・・・・ア?」
「肋骨の秘密暴かれてよ」
「しかも余裕ぶっていた割には」
「簡単に・・・・騙され・・・・」
「主に斬られてオロオロして」
「その当人に背を向けたくなるのもわかるというもの」
「まあ気持ちはわかりますよ、ええ」
「ンだと?」
ユラリと、セルトマンが振り返る。
だが彼らの言葉は止まらず
「アーカイヴアーカイヴ言っていたが」
「それが崩れると狼狽えてたのう」
「えーん、僕どうすればいいかわからないよー、ってか?」
「しかも、秘密を暴かれた敵に背を向け」
「勝てそうな相手に向かうとは」
「・・・・黙れ」
六人の言葉が、断続的にセルトマンの心を抉る。
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