第六章 Perfect Breaker
Oneself/抑止力
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ジラはいったん熱線を止める。
諦めたわけではなく、さらに強烈な一撃のため。
一旦ひっこめることで再チャージし、今度はセルトマンをではなく、セルトマンのいる一帯を狙って攻撃したのだ。
ブォッっ!!
「ゲッ!魔力障壁――――!!」
ズォァッッ!!
左から右へ、ゴジラの頭が振られていく。
それに伴い、熱線も町を横断し、一瞬遅れてそこにあった一切の物をバラバラに吹き飛ばした。
その爆発の中から、魔力障壁のカプセルに包まれたセルトマンが飛び出してくる。
体を丸め、窮屈そうにしているそれを、バリアを解いて開放するセルトマン。
宙に立ち、フワリと体勢を整える。
(表皮の堅さはかなりの物だな。打撃、砲撃は効かないか?)
推察とともに、試してみるかとゴジラに向かって砲撃を数発はなってみるセルトマン。
そのバリエーションも、単純な砲撃から爆発系、貫通系と様々だ。
だが爆発系は爆発するだけ、貫通系も少し抉るだけでダメージとは言い難い。
そんなことを試しているうちに、鬱陶しく感じたのだろう。
ゴジラが頭を振って、空を仰ぎ、大咆哮を上げていく。
周囲のビルのガラスが砕け、バラバラと地上へと降っていく。
「ハハッ!すげぇ咆哮!!」
咆哮が風となって街を駆け巡り、起こる砂埃を防ぎながらセルトマンが笑う。
だがそうしているうちにもセルトマンの真上にゴジラは接近し、その片足を上げて、落とす。
「打撃、砲撃が効かないなら」
ドンッッッ!!!
セルトマンの身体が、ゴジラの足の裏に消える。
しかし、それは徐々に押し返されていき
「ならば投げだ」
ヴォン、とセルトマンの手から張られる魔力障壁が、ゴジラの足の裏をカバーしていた。
そして表面を滑らかにし、流動させる。
すると、体重をかけていた足が滑ったゴジラは当然転がる。
だがセルトマンはさらにそこに、加速を加える。
「ダァッっつ!!」
砲撃が、浮き上るゴジラの下半身を直撃する。
打ち上げられていく身体は上下が反転していき、ゴジラの頭が地面へと向かっていく。
しかし、ゴジラの身体はそれだけではない。
ゴジラの背面部に回るセルトマン。魔力か、それとも純粋な脚力か。
セルトマンはゴジラの尻尾を掴みとり、それを思い切りひねりあげたのだ。
さらに加速し、そしてついに地面に落ちるゴジラ。
側頭部から落下し、しかもその威力は自分の体重によって左右される。
首がゴキリと不自然に曲がりながら、地面に陥没していくゴジラ。
それを見て、満足そうに頷くセルトマン。
「後は内部に入って爆破させて、それから心臓を入念に破壊か」
ある
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