第六章 Perfect Breaker
Attack/進撃
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苦茶。操縦車両もこうなっては、修理に出すしかありません」
捨てられたデンライナーのもとに駆けつけたオーナーたち。
そこにあったのは、崩壊した街並みの中に捨てられ、ビルをつぶして落下した、ボロボロになっているデンライナーだった。
原形はとどめているが、正面の右側は割れており、フレームも曲げられている。
握りつぶされなかっただけ、幸運というものだ。
「ともあれ、我々にできることはもう」
「・・・くそっ!!」
こぶし大の石を蹴り飛ばし、憤慨するモモタロス。
だが、その中でガラガラと何かの音がする。
「良太郎?なにしてるの?」
「デンバードを出すんだ。そうすれば、あの場所に行ける」
ゴジラはすでに数百メートル先。
走ればいけない距離ではないが、戦いに参加するにはどうしても足が必要だ。
「良太郎君。君はまだ行く気なんですか?」
「・・・はい」
確かにデンライナーは使えなくなった。でも、まだ僕たちがいる。
外は滅茶苦茶でも、中がつぶされてないならデンバードも大丈夫なはず。
「今は、戦わないといけないから」
「でもよぉ、あいつにデンライナーなしで勝てるのか?」
「モモタロス。できない理由は、確かにある。僕らにはデンライナーがない」
でも
「できないことを理由に引き下がりたくない。今何ができないかじゃなくて、今何ができるかを考えたい。そしてそれがあるのなら、それが見つからなくなるまで、僕は絶対にあきらめたくないんだ」
はっきりと、野上良太郎は言った。
弱々しい口調だが、その芯は絶対に揺らぎようのない意思。
だからこそ、彼らはここまで駆け抜けてこれたのだ。
「ちっ、しゃーねーなぁ。オメーは一度決めたら頑固だからな」
そう言って、モモタロスも瓦礫をどかしていく。
その後を、ウラタロス、キンタロス、リュウタロスが続いていく。
「オーナー、勝てるんですかね?」
「わかりません。この世界は様々なものを内包していますからねぇ。予測がつきません」
「やばいんですか?」
「さぁ?ただ、絶望や左折なんてことと同じくらい、希望も未来も存在すると、私は思いますねぇ」
「ふーん」
「ところでナオミ君。チャーハンは作れるんでしょうか?」
「オーナー?空気読んでくださいね?」
「・・・読めてませんでしたか・・・・・・」
突き進む怪獣王。
その足が、ついに「EARTH」ビルの立つ区画へと入っていった。
ここから、「EARTH」敷地内まではもう一キロあるかないかだ。
そこで、ゴジラの動きが止まる。
ゆっくりかと振り向き、背後にいたそれを見る。
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