第六章 Perfect Breaker
Attack/進撃
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行くな・・・・」
ゆっくりと、ゆっくりと
つぶやく蒔風の意識は希薄になっていき、瞼は降りていく。
ただ言葉だけが漏れていき、段々と意味を失っていく。
「いって・・・くるね・・・・」
その蒔風の意識を、引き摺りあげる声がした。
蒔風の目の前に、なのはが立っていた。
「ま、て・・・・」
蒔風の言葉は届いたのか。
しかしそれを確かめることもできないうちに、なのはは飛び出していってしまった。
その後に続いて、またほかのメンバーも飛び出していく。
大地咆哮を食らったメンバーの中にも、まだ立ち上がれるやつがいたらしい。
「お・・れも―――行くぞ・・・・」
「待ちなさい!!」
必死になって立ち上がろうとする蒔風。
その体を引き上げ、しかし行かせはしないと肩に担ぐのはアリスだった。
自分も行くんだと暴れる蒔風。
だがそれはあくまでも彼の意識内での動きだ。
実際の蒔風の身体はというと、指先がぴくぴくして腕と足がぶらぶらしているだけでしかない。
「ハァ・・・ハァ・・・・わ、私だって無傷じゃないんですからね!そんな運んでもらえるだけありがたく思いなさいよッ、と!!」
担がれていく蒔風のほか、ショウや翼刀が大きなシートの上で仰向けに寝かされていた。
ドサッと半ば乱暴気味に蒔風の身体も下ろされ、その横にアリスがドッカリと腰を下ろした。
「お、れはいくぞ・・・あんな怪物・・・世界ごとくわないと・・・消せないだろっ・・・!!」
「動かないでください!!動かない、うご、動くなぁッッ!!」
「ぐええ」
身体が動かないと納得し、仕方ないと身体を休ませる蒔風に対し、隣ではショウは無理やり身体を動かそうとしてシャマルに縛られいていた。
それでも芋虫のように進もうとする(実際には進めていない)ショウに、ついにエルルゥの煎じ薬が投与された。
お椀の中の何かザラリというかドロリというか、そんな物質がショウの口から流し込まれていく。
すると、動かないはずだというのに四肢がピーン!と張ってからバタリと落ち、ショウは沈黙してしまった。
「なにあれ怖い・・・」
「翼刀も、下手に動こうとするなよー?」
「動けませんって。あれ見たら余計に」
多少休んだからか、彼女たちの治癒がさっそく効いているのか。
お互い口は動くらしく、段々と大きくなる振動音と地響きの中で言葉を交わす。
「オレ、あのシリーズよく見てないんですけど・・・ショウさんなら最終手段で世界ごと喰らって消せるんじゃ?」
「あのデカさからして、世界ごと切り取って食ったら大変なことになる。ゴジラだけを喰おうにも・・・」
「喰おうにも?」
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