暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第六章 Perfect Breaker
Attack/進撃
[2/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
せる。

最終的にはこの兵器を用いた区画一帯の生物はドロドロに溶けて、骨すら残らず消滅する。


しかし、それは架空の人物によって作られた架空の存在だ。
おそらく、あの大怪獣はセルトマンが特別に組み込んだもので作られたもの、いわば特注品だ。

今はこの世に「存在しない」死者の召喚。
本来は「存在しない」が、もしかしたらあったかもしれないifの姿での召喚。
そして、原典には存在しないが、あったであろう者の召喚。

アーカイヴを基にしながら、段々と存在の希薄なものを召喚して行くことでそのデータを収集し、最終的には原典にないものを召喚するに至ったのだ。

仮に兵器の開発者を召喚するとして、そのデータもない「EARTH」にそれを行うことは不可能だった。


「く・・そ・・・・」

べったりと張り付く地面を引きはがすように、腕に力を込めて起き上がろうとする蒔風。
だが、溜まった血で手が滑り、再び胸が地面に落ちる。


「が・・・は」

セルトマンの大地咆哮のダメージは甚大だった。
そもそも、蒔風はライダーの増援があったとはいえ再戦してからのダメージが多い。

今この状況で立ち上がれれば御の字だ。
とてもゴジラに向かっていくだけの体力はない。



ぼやける視界にセルトマンが映り、端に移動していって視界からいなくなる。
おそらく、ゴジラと戦うために向かっているのだろう。

『巨大生物、出現地点から陸地を目指しています!』

『あわわ、巨大生物をゴジラと判別、呼称します・・・』

『ヤバい、上陸するよ!!「EARTH」まで一直線だ!』


「EARTH」から見える海というのは、海岸ではなくテトラポットがゴロゴロした堤防が境界線になっている。
それらのコンクリートの塊を踏み砕き、大地を陥没させながらゴジラはついに陸地へと立つ。


セルトマン襲撃から三日。もう数時間で四日目になるだろう。
そのおかげで、周辺地区の住民避難はすでに終わっている。

だが逆を言えば、この地区でとどめなければ一気に人が死ぬということに他ならない。




『目標の到達まで残り3分!!』

『ここを戦場にしようってのか・・・・』

通信や念話を通じて聞こえる仲間の声。どうやら皆がやられたわけではないらしい。
おそらく、「EARTH」(仮)に残った者や、大地咆哮の範囲外にいたメンバーも多かったはずだ。


『行くぜ行くぜ!!』

『デカいのにはびっくりしたけどな』

『デカい相手には、それなりの戦い方がある!!』


次々に飛び出していくメンバーたち。
だが蒔風にそれを止めるだけの手段はなく、ただぼそぼそと、唇から言葉が漏れていくだけ。


「やめろ・・・
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ