第六章 Perfect Breaker
Kaiju/破壊神
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日ほどかかっちまうだけだ。まあ最後まで終わらなかったが、あれだけの時間でもかなり進んでたんだ」
「じゃあ、さっきまでの戦闘は」
「残りの分の時間稼ぎ。お前らはアーカイヴメンバーが消失するからって焦ってたみたいだけど、俺の目的はそうじゃねーのって」
ケラケラと笑いながら、セルトマンが両腕を広げる。
ついに、やっと。彼の目的は達成されるのだ。
「処理速度は落ちたが、残りわずかな処理には今の状況でも十分だった。そして、時間稼ぎに俺の身体はちょうどいい―――――」
セルトマンの腕に、魔力がたまっていく。
さらに足元に魔法陣が展開されては、彼の腕に吸収されていく。
まるで、用意したプログラムを組上げているかのように。
「人類には決して打倒することのできぬ「王」。世界をも破壊しうる最強の「王」!!!はたして極限にまで「人間」を高めた俺に、かの「王」は打ち倒せるのか!?」
実に楽しみだと、セルトマンが笑う。
そう
その「王」は、決して人類の手にはかからなかった。
ただ一つの、化学兵器を除いて。
しかし最後にはその存在を、生き延びてきた最強の「王」
ならば、究極の「人間」と化した自分には、その「王」を乗り越えることはできるのか?
探求心に限界はない。
好奇心は無限にある。
求めだしたら止まらない。
たとえそれが九つの魂を砕くことになろうとも、私はそれを追い求める―――――
「召喚だ!!出でよ、最強の―――――!!!!」
叫ぶ。
放たれた腕は、海の方角に。
「EARTH」ビルから海は、そう遠くない距離だ。
とはいえ、海岸ではなく塀のある、釣り場に適したものだが。
その海に、魔法陣が落ちた。
展開される。
渦巻いていた海が、轟いていた波が、見る見るうちに静まっていく。
まるでそのエネルギーが、海底のそいつに吸い込まれているかのように。
そのころ、「EARTH」の様々な観測計のいくつかが異常な反応を示していた。
一つは、波浪計。
静まっているというのにもかかわらず、波を観測するブイが激しく浮き沈みをしているというのだ。
もう一つは、地震計。
地面の揺れを観測し、震源地を割り出すこの計器によれば、海底のほうから振動がやってきていると。震源が移動していると、表示されていた。
最後に、これの針が異常に振り上がっていた。
どんどん上がっていく針は、ついには限界まで降り上がってしまう。
これに関しては、あまり大きな数値を図れるものではなかった。
当然だ。こんな街中でそこまで大きな数字が出るほどのものを観測するなど考えられないものだから。
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