第六章 Perfect Breaker
Kaiju/破壊神
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ゥッッッ!!!
大地が咆哮した。
浸食などという、生易しいものではなかった。
一瞬にしてセルトマンを取り囲んでいた皆がいる範囲の地面が、一瞬にしてドス黒く変貌したのだ。
よく映画で地面が爆発するときに音が消える演出があるが、それは演出でもなんでもなく現実に起こるものなのだとわかる攻撃だった。
大地に立つのはもちろん、逃れようと空にいようとも逃げ場はない。
ゴンッッッ!!という音がしたような気がして、直後にそれが自分の身体が叩き付けられたことで発せられた脳内の音だと認識するのだ。
吹き上がる咆哮に全身を殴打され、刺され、身体が浮き上る。
だがそれも一瞬。直後に引き付けられるように大地に叩き付けられ、例外なく総てのメンバーが大地に倒れ伏していた。
内臓がドロドロになって重くなってしまったかのようにうねり、筋肉がさび付いたかのように軋んで動かない。
どこから血が出ているか、ではなくどこなら血が付着していないかと探したほうが早いような状態。
その光景を、まるで観光地を回るかのように見回しながら進むセルトマン。
「俺がこの礼装に頼りきりだと思ったか?膨大な魔力の砲撃と障壁、それに蹴り技だけだと思ったか?ん?」
まるでそこに蒔風が立っているかのように語り掛けるセルトマンだが、その当の本人は離れたところで地面に倒れている。
地面はカサカサになり、生えていた草はそのエリアだけきれいに枯れ果てていた。
荒野、というのが正しいかもしれない。
先ほどと同じように地面が染まっているが、今度は大地がドス黒くなる理由がセルトマンのものではなく、ここに倒れている彼らによるものだという違いがある。
「ぐ・・・・」
「それに、お前らアーカイヴ解放したからって俺の目的阻止したとでも思ってんのか?」
「な」
ギョロリと睨みつけてニタリと笑うセルトマンに、蒔風が驚愕する。
こいつがアーカイヴを封じたのは、その分を使って目的である「王」とやらを「創造」するため。
それを解放したのだから、それは実行できないはずでは―――――
「ショウたちは蜘蛛倒したみたいだけど、あれはあくまでも封印と、その保護目的のもの。あれが倒されても、アーカイヴの接続は切れない」
それはわかっている。
聞きたいのはそうじゃない。
そう訴える蒔風の視線を察してか、セルトマンは言葉を続ける。
「アリスが説明してたろ?ありゃいい例えだった。確かに、パソコンで言うメモリをあけるために俺はアーカイヴを封印した。じゃあその分埋まったら、止まるってのか?」
「―――――まさか、あくまでも処理速度を上げるためだけに・・・」
「そう。実行自体は可能だった。たださらに二
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