第六章 Perfect Breaker
Kaiju/破壊神
[6/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
砲が溜めこまれていっていた。
その高音を聞きながら、セルトマンの顔が引きつった。
さすがにこの至近距離で直撃すれば、顔面は吹き飛びやられるだろう。
防ぐ術はない。
ならば、どこかにやってしまえばいい。
「フンっ!!」
「ぐ!?」
とっさに伸ばした右足。
内回し蹴りで、右足の右側面がショウの腕を弾く。
放たれる波動砲が、セルトマンの右側を突き抜けて飛んでいった。
それと同時に、セルトマンの左腕がショウへと突き出される。
この場合のセルトマンの腕は、拳ではなく発射口だ。
セルトマンの中でその魔力砲撃のトリガーが引かれる。
だが一瞬前にショウの右肘がそれを押しやり砲口を逸らす。
対して、自分の右手はセルトマンに。
同時に放たれるエネルギー砲撃。
片や魔力、片や波動。
命中するかに思われていたショウの波動砲は、しかし落ちるように体勢を崩したセルトマンには当たらなかった。
倒れていくように沈むセルトマンの身体。
だが右手が地面を掴み、その体を留めて上下が反転する。
突き出される蹴りがショウの顔面を掠め、起き上がりと同時にセルトマンの砲撃。
その砲撃に対して、ショウも砲撃で迎え撃った。
両者の手の距離は、30センチもない。
そんな至近距離で相殺しあっていく砲撃戦など、見たことがない。
一方、それを眺めていた蒔風は即座に皆を散開させて周囲に散らせた。
こんな戦い方をされては、飛び込もうにも無謀が過ぎる。
ならば、当たらぬように散っていつでもセルトマンに仕掛けられるよう備えておくのみだ。
「にしても、砲撃でガン=カタする奴なんて初めて見たぞ・・・・」
その光景を、あきれるやらなんやらで眺める蒔風。
飛んできた砲撃を、軽く首を倒してヒョイと躱す。
正面からぶつかり合う砲撃。
その反動でショウとセルトマンの距離が離れ、反動から体を戻すと同時に互いに掌を向けあった。
「おいセルトマン。まだ続ける気か?」
「ん?もうやめたくなったか?降参?」
セルトマンのありえない申し出に、するかバカと返してからショウが続ける。
「これ以上続けてもお前に勝ち目はないし、オレ達もこれ以上やるなら命を奪うことになる。だったら、これ以上続けることは無意味だと思わないか?」
「・・・・なるほど。確かに、お前らは諦めないことに関してはスペシャリストだもんな」
ショウの言葉を理解しながら笑い、そして砲撃を放つセルトマン。
その砲撃を蹴り飛ばし、なおも手のひらを向けるショウ。しかし、今度はそこに波動のエネルギーを充填させて、だが。
「右胸の肋骨。それさえ潰せばお前は終わる」
「ちょっ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ