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世界をめぐる、銀白の翼
第六章 Perfect Breaker
Adam/正体
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いと信じているのだ。


「だから、あいつが生きている以上は翼刀たちも生きているってこと」

「なんだと・・・・そんな推論、的外れだ!!」

「たった今、アーカイヴだって的を外した。もう逆に何が当たってもおかしくないだろ」

「・・・・む」

蒔風の言葉に一瞬反論しようとするセルトマン。
だが、顎に手を当て一考すると、スゥッと今までの焦りが引いて行くのを見て取れた。

目を閉じ、落ち着かせているのだろうか。
そっと瞼を開き、一息吐いて

「正しいよ」

そう、告げた。


「お前の推測は正しい。今しがた、アーカイヴ防衛プログラムが破壊されたようだ」

セルトマンのが正しいのならば、それはアーカイヴの開放を意味している。

何故だ、等と聞く必要なない。
蒔風には、その原因がわかっている。

「あいつら・・・やっぱ生きてたか」

にやりと、思わず口角が上がる。

みんなが帰ってくると思うと、さらに頬が思わずゆるむというものだ。


「じゃあお前勝ち目ないじゃん。さすがに全員で攻めれば、お前の肋骨くらいは砕けるぜ?なぁ?」

パチン、と
蒔風が何かを感じ取って指を鳴らす。

世界の外に流れる彼らの力を感じ取り、こちらから誘導するように翼力を発した。


すると、蒔風の左右の時空が歪み始めた。

じわじわと歪むそれは徐々に大きくなり、そして一気に穴が開き


「戻った!?」

「おっとと!!」

「ふっ、と」


翼刀、唯子、そしてショウの順に、この世界に三人が帰還してきた。
アーカイヴから放り出され、世界の狭間を漂っていたのだろう。

そしてその三人に、蒔風が飛び掛かった。

「お前らぁ!!!」

ガバリと襲い掛かるように飛び掛かる蒔風。
三人の首に腕を回し、ギッチリと締め付けて抱き寄せて、よかったよかったと何度も頷いては締めていく。


「最初はお前ら死んだかと思って俺ほんとにやばかったんだからな!!!」

「死ぬかバカ」

「そっすよ!!俺らまだまだ死ねません!!」


笑顔を取り戻し、セルトマンへと向き直る。
そして、剣の切っ先を向けて堂々と居直った。


「アーヴ・セルトマン。複数世界における破壊活動及び世界破壊未遂の罪で」

「ジャッジメントだ」

「デカレン?」

「デカレン」


蒔風の言葉にショウが続き、翼刀が懐かしーとぼやく。



流れは自分たちにある。
そう信じてやまない表情だ。

確かに、そうだろう。



アーカイヴは解放され、仲間はじきに帰ってくる。
セルトマンの弱点も判明し、肋骨さえ抉れば一気に勝利だ。


だが、それでもこの男は自分
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