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世界をめぐる、銀白の翼
第六章 Perfect Breaker
Adam/正体
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科学がその伝説を殺した。


だが、そうだとして

ではサルから人類へと進化したとき、一番最初に「人間」として立ち上がった者は、必ず存在する。
ならば、それはアダムと呼ぶべき存在ではないのか。

一哺乳類であった生命体が、人間という種族へと最初に進化した個体は、確実に存在するのだ。
そしてセルトマンは、その流れの最先端に位置する人間だったのだ。


「お前の根源は「流転と循環」だったか。そんな奴がこんな礼装身に着けてたらそりゃ最強だ」

これはセルトマンだけが使える礼装だ。
「アダム」と言えるような存在から血を引く「流転と循環を根源とするセルトマン」が、「世界最古の地層」から掘り出した土で作られた「肋骨」を埋め込むからこそ発動する。


「お前がいくら魔力を使っても、魔力回路が壊れないわけだ」

彼は最新にして最古の存在だ。
それらすべてに負荷を分担すれば、どのようなことも可能だろう。


「お前をいくら傷つけても、そりゃお前は回復・・・っつか再生するわな」

魔術世界おいて、古きモノのほうが力を持つ。
ならば、人類の中で最古であるこの男を傷つけることなど無意味なのだろう。


「しかもお前聖書の内容まで礼装に組み込んでるよな?」

世界最古の殺人は、アダムの息子が弟を殺したものだといわれている。

つまり、アダムは殺されることなく寿命で老いて死んだのだ。
そして仮に殺せるとしても、兄弟程の近しい、もしくは同等程度の存在でなければ彼の命は奪えない、ということだ。



「世界がごっちゃになってるからややこしいがな。お前は「根源」という魔術系統と「聖書」という魔術系統の二つを織り交ぜた複合魔術師ということだろ」

この世界には、様々な法則が飛び交っている。

魔術と一言にいっても、様々なものがある。
わかりやすく世界名でいうなれば「Fate」をはじめ「とある魔術の禁書目録」や「11eyes」等といったものだろう。

この男は、それらの内いくつかを織り交ぜることで、この境地にたどり着いたのである。



「一族ぐるみで封印指定なはずだ。なんぜその血筋そのものが、なんだからな」

「・・・・」

「アーヴ・セルトマン。つまりお前の正体は「最古の人類とリンクした最新の人類」ってことだな?」

「・・・・・・だからどうした?」


蒔風の一方的な言葉に、一切口を挟まなかったセルトマン。
その彼が、結論付けた蒔風に吐き捨てる。


「だからどうした!!今更わかってももう遅い。俺の目的はあとちょいとで達成される!!」

脇腹の傷も治ったのか、指の隙間をあけて、嘲笑するように叫ぶセルトマン。



そうだ。
セルトマンの正体がわかったと
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