第六章 Perfect Breaker
Adam/正体
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刀の猛攻を受けながらも、そんな軽快な口調で語るセルトマン。
「まさか、回復に限度があるとか思ってんじゃないのか?残念ながらそりゃハズレだよ」
「知ってる」
「あ?」
セルトマンの笑い顔が引きつる。
こいつは知っているといった。
その推測がハズレだということを。
だったら、こいつがやっていることは一体なんだ?
まさか、まさか本当に気付いて――――――
「お前ら行けぇッ!!」
「なにっ!?」
対して効果のない猛攻の中で思考に囚われたセルトマンの意識を、蒔風の叫びが強引に引き戻す。
マズイ、と直感的に察したセルトマンが、蒔風の攻撃を大きく回避して距離をとり、その声のかけられた方向へと視線を向けると、そこにいたのは
「今こそリベンジだ!!」
「へへ、あの時みたいにはいかないよっ!!」
先ほど弾かれ、又は放られた獅子たちが、一斉にセルトマンへと切りかかっていっていた。
獅子、天馬、麒麟の西洋剣の乱舞を回避していくセルトマン。
だがその隙間を縫うように、一筋の刃がセルトマンの眉間へと襲い掛かる。
「チッッ!!」
「ダメですか・・・!!」
その隙間を縫ってきたのは、朱雀槍。
朱雀の握るそれを回避は無理だとして握りしめて勢いを止め、引っ張り込んで肘を顔面にぶち当てる。
さらにはセルトマンによって朱雀が引き摺り出されたために、獅子、天馬、麒麟の三人の陣形が崩れてばらけてしまった。
だがその天馬の背を蹴って、セルトマンへと突っ込んでいく影が一つ。
「やっほう!!」
「ガキかよッ!!」
白虎釵をくるくると回しながら、セルトマンの胸元を狙って襲い掛かる白虎。
そこに体勢を整えた獅子、天馬、麒麟が三方から突き刺そうと剣の切っ先を突き出してくる。
さらには頭上から一輪挿しにしようと飛び掛かる朱雀まで現れ
「邪魔だ」
セルトマンの魔力放出で、五人がまとめて吹き飛んだ。
全身を殴打され、大地に突っ込む五人。
拡散しているとは思えないほどの高威力の魔力放出に、顔をしかめて倒れていく。
だが、彼らを吹き飛ばしてなおセルトマンの魔力放出は止まらない。
なぜならば、その中で耐えているものがいるからだ。
「玄武か――――!!」
「一度受けた攻撃で、再び倒れるわけにはいかぬのじゃよ!!」
玄武盾を肩と肘で支えるように構える玄武は、確かに魔力放出に耐えていた。
しかし、このような高密度の攻撃を食らい続けていては、いくら玄武とはいえ砕けてしまうだろう。
「それでいいのか?玄武。そんなんじゃぁ後ろのご主人様が攻められないぜ!!」
セルトマンは気づいている。
玄武自身
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