第六章 Perfect Breaker
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ノコで金属を切っているかのような火花が周囲を照らし、そしてその火花に乗じて、翼刀とショウは左右に回り込んでいた。
「唯子、よくやった!!」
「いきますよ!!」
ショウの来るタイミングに合わせ、翼刀がジャンプして蜘蛛の腹部へと跳び上がった。
反対側からの一撃。
その一撃が身体を抜けていく瞬間に、反対側からの一撃を叩き込めば――――
だが、翼刀の身体はいとも簡単に蜘蛛の脚に弾かれた。
ベチッ!!と軽く振られた脚だが、このサイズ差では翼刀にとっては鉄骨のフルスイングに近い。
ガードはしたが、その重さに吹き飛ばされて距離を離されてしまう。
だが、吹き飛ばされながらも翼刀はヴァルクヴェインを取出し、床が近づいてくるとそれを突き刺した。
角度をつけて刺さったヴァルクヴェインに足を駆ける翼刀。
瞬間、吹き飛んだその勢いを反転させ、刃を射出する反動で一気に飛び出していく。
「合わせます!!ショウさん!!!」
「食らえデカ物!!」
再び、蜘蛛への一撃を放つショウ。
今度は腹部の左側へ。
翼刀の時と同じように振られる脚だが、身体をひねってそれを回避するショウ。
そしてそのまま魔導八天で切り落とし、蜘蛛の甲高い悲鳴とともに叩き込む。
「斬れろやゴラァ!!!」
先ほどよりも力を込めた一撃。
だが叫びとは裏腹に、結局蜘蛛に切れ込みは入らなかった。脚と腹とでは違うらしい。
だがグボンと窪んだ腹は波打ち、巨大なクモの身体は、吹き取んで行こうとグラリと浮き出す。
「不ッ――――動、拳ッッ!!」
が、その蜘蛛に向かって、反転してきた翼刀が到達した。
拳を突き出したままの体勢でヴァルクヴェインに乗り、ショウの反対側からめり込んでいった。
そして、そのまま不動拳。
丸々勢いを乗せたままでのその一撃は、揺れる腹部に別の波紋を生み出した。
「お?偶然だけど、これ動不動じゃね!?」
完全に偶然の産物だが、結果的に成功したその一撃に喜ぶ翼刀。
そして反対側から打ち込まれたその一撃のせいで吹き飛ぶこともできず、蜘蛛の腹部がグマグマと揺れ動き、それがついに蜘蛛の腹部をパチン、とぶち破った。
「やべっ!?」
「ゆ、唯子ーーー!!」
「ま、間に合ってレヴィン!!」
弾けた蜘蛛の腹からあふれ出たドロドロとした液体が、三人に向かって降りかかる。
どんな液体かもわからない以上、不用意に触れるわけにもいかないため、唯子が即座に幕を張って三人をドーム状に覆って液体から身を守った。
「ぅええ・・・・」
「さ、サンキュ・・・唯子」
「助かったな」
溶けていくように消えていく毒液。
蒸発で
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