第六章 Perfect Breaker
Archive/原典
[8/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
はというと、背後上部から吐き出される糸の弾丸が床を穿ち、先回りして打たれたそれによって足を取られてしまった。
勢いが勢いだったために宙へと浮く唯子の体だが、彼女はあわてながらも即座に対策を講じていた。
「レヴィン、モード・フィールド、ブレードブーツ!!!」
薄く膜状に張ったレヴィンを、足元に展開する。
唯子が走る一列の通路の床のみをレヴィンで覆い、さらにスケートシューズのように、足の裏に刃を装着してその上を滑っていく。
初速こそは先程よりも劣るが、加速していくうちにどんどん速度を上げていくことができる。
これなら、ぶっちぎりだ。
それに気づいた蜘蛛はというと、そうなる前に手を打った。
とはいっても、先ほどと手段は変わらない。
糸を先の壁に打ち込み、それを引くことでの高速直線移動。
今回も同じようにそうした。
本棚の上から跳び、壁に向かって糸を吐く。
そして、唯子の上空から襲い掛かるように突っ込んでいき―――――
「そう来ると、思ってたわよ!!」
唯子が反転して振り返り、ザギッ!!と急停止した。
そして足元のフィールドとブレードブーツを消し、手甲の形状でレヴィンを纏う。
さらに気力が手から吹き出し、伸び、刀の形をとってからレヴィンで固定される。
一瞬の交差。
その時がやってくる。
唯子が、突っ込んでくる蜘蛛に向かって刀を突きだす。
蜘蛛の口へと侵入していく刃は、その瞬間に一気に刀身を伸ばして蜘蛛の体内を串刺しにする。
同時、噛みついて来ようとした牙や鋏を、肘を張って手甲でガード。
一気にしゃがみこんで振り下ろし、体内を通過していった刃を蜘蛛の腹から引き出した。
「ゴァ―――――!!!」
そのままの勢いで、壁へと激突する蜘蛛。
だが顔がひしゃげて体液をぼたぼたとたらしながらも、そいつの眼はギラギラと光っていた。
貫通し、まるで開きのように切り裂かれた蜘蛛だが、それでもこいつは死なないらしい。
「ギュゥゥゥウウウウウウウウウウアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
怒り狂ったかのような雄叫びを上げながら、再び唯子へと襲い掛かる蜘蛛。
吐き出される糸を固めた弾丸を弾き飛ばしながら、唯子がレヴィンでの幕を張って防ぐ。
そしてそこに蜘蛛が到達、圧し掛かるように上体ごと前脚を振り落してきた。
受け止める唯子。
接触部分は蜘蛛の顎と前脚だ。
蜘蛛との圧倒的なウェイト差に押し込まれ、床を削りながら押し込まれ後退する唯子。
だがガクンッ!とそれを押し止め、化け物のこれ以上の進行を停止させた。
蜘蛛の牙と爪が衝突している点から、激しい火花が散っていく。
まるで丸
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ