第六章 Perfect Breaker
Archive/原典
[7/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
うショウ。
「クソッ・・・・」
服を引きちぎろうと手をかけるショウだが、逆に糸が絡んできて手まで粘ついてしまう。
完全に逃げ場を失い、ショウが最終手段に出ようとしたとき――――
「パニッシャァーーー、キィック!!!」
唯子の跳び蹴りが、蜘蛛を真上から押しつぶした。
「プギゥ・・・ギュエェ!!!」
飛び降りた一撃に加え、後から叩き込まれた不動脚が効いたのか、そんな声を上げて止まる蜘蛛。
だが余計に怒らせただけらしく、わきに着地した唯子を追い、そのまま角を曲がって行ってしまう。
「平気ですか!!」
「なんとかな」
と、蜘蛛のいなくなった後に翼刀が来て、糸を切って焼いてショウを開放する。
その頃、追われている唯子は
「ちょっと待ってぇぇええええええええ!!」
蜘蛛に追われて、涙目だった。
全力でダッシュする彼女は、蜘蛛の勢いに決して負けていない。
だが八本ある蜘蛛の動きは、思った以上に激しい。
しかもそれは、回避に直結して
「破ッ、破ァッ!!」
レヴィンを固めて飛ばした刃を、左右の壁などに飛びついて回避する蜘蛛。
それで速度が落ちないのだから、驚異の瞬発力だといえる。
アーカイヴを縦に駆け抜けてきたが、そろそろ壁のはず。
ここらで曲がっていかないとな、と唯子が確認がてらに振り向くと、飛んでくるのは蜘蛛の糸。
「ベトベトは嫌だ!!」
ショウの捕まっていたのを思い出し、顔を青くして回避する。
だが糸の先端はそのまま壁に張り付き、一直線に張り詰める。
「え・・・ちょっと待ってねえ。そんなことしないでよぉッ!!!?」
蜘蛛の思惑に気づき、唯子がラストスパートを切って角を曲がる。
直後、壁に向かって蜘蛛が糸の伸縮性を利用しての突進をぶちかましていた。
もし曲がるのが遅ければ、あの巨体でミンチになっていたことだろう。
ズボォ、と土煙の中から顔を出して頭を振る蜘蛛。
そして唯子を見つけると、再び糸を吐き出して
「もういやぁ!!」
唯子の背後の先にある壁へと糸を飛ばし、一気に飛び出して突進していく。
それを横に跳び、通路に入り込んで回避する唯子。
「横でよかった、横でよかった!!!」
先ほどと違い、すぐに通路のある場所だったので回避に成功する唯子。
アーカイヴの本棚の並び方に喜びながら、また走り出す。
だが蜘蛛のほうも、唯子が回避したと見るや否や糸を切り離して、本棚にしがみついて急ブレーキをかけていた。
結果的に蜘蛛は唯子よりも一列向こう側の通路に入り、本棚をよじ登ってその上を爆走、糸を弾丸のように打ち出しながら唯子の後を追い始める。
唯子
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ