第六章 Perfect Breaker
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ところによっては割れたりもしているが、時間経過とともにうっすらと直っていく。
まるでゲームでオブジェを壊してから、時間経過で直っていくのをリアルで眺めているかのようだ。
そして、本棚のほうは無傷である。
吹き飛んだ蜘蛛が足をひっかけても倒れず、中のものは傷一つつかないのだから、さすがはアーカイヴといったところか。
「あいつ重ぇ・・・・」
ショウが蜘蛛を振り上げ切りつけたのは、いうまでもなく魔導八天だ。
だが八本すべて合わせた、本当の意味での「魔導八天」での一撃だったというのに、蜘蛛の風船のような腹部は大きく窪み弾かれただけで大した外傷はない。
まるでその弾力が衝撃を受け止めてしまったかのようだ。
「鋏は堅い、腹は重い。なんだあいつ。重機かよ」
「蜘蛛があのサイズになったらそんなもんじゃないですかね?」
「でかい虫キモイ!!ヤバい!!」
われわれが見ているサイズでは可愛らしい(こともある)かもしれない虫も、人間以上のサイズになるとひたすらにグロいものだ。
ゾワゾワと鳥肌を立てる唯子に、落ち着けって、とあきれる翼刀。
「ま、ゴキブリじゃなくてよかったな」
「ひぅっ!?」
「カブトムシとかなら、体毛とかないからよかったんだけどなぁ・・・・でもカマキリだったらヤバい」
「うぅ・・・」
「あー、あいつら目とかヤバいしな。ゲジゲジだったら動きもやばいし」
「うひぁ!!」
「スズメバチだったら俺ら肉団子っすよ?」
「あぁぁああああ・・・・バカぁ!!!」
「「ウブィッ!?」」
二人の昆虫談義に鳥肌を立てる唯子が、衝動のあまり手を出してしまう。
きっと唯子は悪くない。
「おまえ虫とか大丈夫だったじゃん・・・・」
「あんなデカいの見せられながらじゃなきゃね!!!」
猛スピードで駆けてくる巨大蜘蛛。
三人がバラバラに逃げ出し、今度はショウを追って左へと曲がる。
腕を後方にふるって、小さな波動弾をバラバラと放ち攻撃していくショウだが、周囲や体に起こる爆発をものともせずに、蜘蛛は一直線に突っ込んできた。
そしてやはり壁にまで行き当たり、そこで少し立ち止まってから左へと飛び退く。
止まり切れなかったのか、後方からドォン!という激突する音がしたが、半ば寄りかかりながら強引にショウを追ってくる蜘蛛。
バシュバシュバシュゥ!!という音がして、何が起きたかとショウが振り返ると、一直線に吐き出された糸が脇腹を掠めて突っ込んできたではないか。
「う・・・おっ!?」
掠めた、と聞けば回避できたかのように聞こえるが、これは粘着性のある蜘蛛の糸だ。
服が引っ張られ、そのまま壁まで引き摺られてしま
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