第六章 Perfect Breaker
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ているのかもな」
「じゃあ今の範囲は本棚分とちょっとですか!?」
「ギッチギチっていうほどの空間じゃなさそうだけどな」
「って蜘蛛きてるよ翼刀!!!」
のんきに話し出す二人だが、蜘蛛の接近は止まっていない。
向かってきたその巨大蜘蛛に向かって、唯子がレヴィンを発動させて手刀を振り上げた。
距離はまだ十メートルほど離れていたが、手刀を包んだ大太刀の形態をとったレヴィンの刃の切っ先は蜘蛛に届いたようだ。
だが蜘蛛の硬度も高かったらしく、顎の鋏と火花を散らして衝突し、斬られることなく打ち上げられる。
と、三人の上空へと上がっていく蜘蛛が、ベタッ!と何かに張り付いた。
先ほど唯子がぶつかった「見えない壁」は高さの制限がないようだ。
お、と見上げる三人に向かって、蜘蛛が口を開き、そこから赤い糸を吐き出してくる。
それをとっさに避ける三人。
地面にべちゃりと張り付いたそれを見て、翼刀が本棚の網を思い出した。
「そうか!!封印はこいつのせいだ!!」
「あぁ!?じゃあこいつはアーカイヴのプログラムじゃなくて」
「セルトマンのウイルス、ってことですかね!!」
ブァッ!と飛び降りてきた蜘蛛を避け、分散する三人。
翼刀と唯子がさっき走ってきた道を戻っていき、ショウが蜘蛛の右側に向かって走り出した。
「引き付けるぞ、唯子!!」
「おっけい!!」
ヴァルクヴェインを取り出し、ステップを踏んで回転しながら後方へと刃幕を走らせる翼刀。
だがその刃は蜘蛛の吐き出した網に絡め取られてしまい、さらに吐き出された糸で球体へと固められていく。
「やぁべ」
「ちょっと翼刀!?」
翼刀が正面を向いて走り出すと同時、翼刀の踵ギリギリの場所にその球が叩き込まれた。
刃が飛び出しているそれはまるでモーニングスターであり、ほんの少し走るのを緩めていたら下半身が拭き取んでいたところだ。
「あっぶな、あっぶな!!」
「ちょっともう何やってんのよ!!」
蜘蛛はブチリと糸を切ってその武器を放棄し、なおも前脚を振り上げて鋏を鳴らして二人を追う。
ブンブンと振られていくそれを回避しながら走り続けていくと、先ほどのパソコンの前を通過し、短いその本棚が切れて横の通路が開ける。
「おぉらあああ!!!」
と、そこで回り込んできたショウが横合いから蜘蛛を思い切りなぐりつけた。
ドフン!!という重い一撃に(そんな感情があるかわからないが)蜘蛛が驚き、90度方向を変えて、それ以上の速度で吹っ飛んだ。
だがガチガチと動き続ける八本の足は本棚や床を掴もうと暴れ、後ろ四本を壁に、残りを本棚と床につける形で停止する。
さっきまで走ってきた床は陥没し、
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