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世界をめぐる、銀白の翼
第六章 Perfect Breaker
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「これは・・・・メモ帳?」

「はい。で、これが入ってたファイル名が・・・・・」

「・・・なるほど」

ずらりと並んだデータ。
ナンバリングされて並んでいるそれは、総数500を超える数のメモ帳だ。


「なんでワードじゃないんだ」

「さあ?」

そして、そのファイル名は「世界をめぐる、銀白の翼」

ショウには聞き覚えのある単語。
なにせ、結合直後の蒔風との最後の戦い。その時のWORLD LINKで流れた単語なのだから。

すなわち、それが世界名だ。


「セルトマンはこれを読んでいたのか」

「たぶん。でも、おかしいんですよ」

「なにが」

「ここにあるのは、確かに俺たちの世界です。でも、未来の情報なんてどこにも載ってないんです」

「・・・・・・は?」

画面をスクロールし、最後の項目を表示させる。
だが、行きついた先は現時点でのショウたちの足取りだけ。

未来の情報など、乗っているはずもなかった。


「・・・・」

「あの、これっていったい・・・・」

黙って眺めるショウに、不安そうな声で問う翼刀。
だが何かを思いついたのか、マウスを操作して別の画面を開く。

表示オプションを開き、いくつかの項目にチェックを入れ、そして先ほどのフォルダへと戻ると


「あ」

「隠しファイル、か」

半透明の形となって表示されたメモ帳。
並び順からして、おそらくこれが未来の情報だ。

だが、クリックしても開けない。
代わりに表れる警告文には「現在のユーザーには閲覧権限がありません」と出るだけであった。


「ユーザー権限?」

「たぶん、パソコンっていう形式に合わせて言ってるだけだ。要は俺らじゃ見れない、ってことだよ」

パソコンを操作する人間で識別しているらしいそのファイルを眺めながら、ショウがため息をつく。


「これを見ることができるってことは、セルトマンは権限があるってことですよね?」

「まあな・・・・」


だが、その権限とは何だ?
自分も翼刀も、この世界では主要人物と言える。

まさか最主要である蒔風でしか開けない?
いやいや。じゃあなんでセルトマンが開けるんだ。

未来の情報・・・・


「オレ達がこれを見れないのは、あくまでもおれたちはこの時間の人間だから、か?」

そう。
自分たちが今の情報までしか見れないのは、自分たちがあくまでもその時間までの人間だから。

そうつぶやくショウに、ちょっと待ってくれと翼刀が口をはさんだ。


「いやいやちょっと待ってくださいよ。じゃあなんですか。セルトマンは未来人だったってことですか!?」

「だけどさ、それならもっと確実な情
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