0217話『最上の件と伊勢と日向のからかい』
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最上だけは榛名の事を思って祈りを捧げている。
《あ、あの……提督、どういうことでしょうか?》
「いやなー……このタイミングで二人の前に顔を出してしまった榛名が不憫だなって思って……」
私にはもうどうしようもできないので榛名を切って捨てた。
そしてさっそくとばかりに伊勢が榛名にいい笑顔を向けてきて、
「それでさー、榛名はほんとうはどう思ってるのさー?」
「そうだな。そこは確かめておきたいところだな」
《な、なにがでしょうか……?》
「もう! 榛名はさー、ここぞという時に押しが弱くていざとなったら『榛名は大丈夫です!』って言って我慢しちゃうんだからもっとぐいぐいって感じで提督に迫らないとそのうち山城に提督を取られちゃうぞ?」
「そうだな。あの山城も表面上は提督の事はあまり気にしていないが心の内は扶桑の次には好きという感じだからな。フフフ……いつ榛名との取り合いが起こるか楽しみではあるがな」
伊勢と日向のそんな会話を聞いて榛名もサァーッと言う感じで少しだけ顔が青くなる。
これは、真に受けてしまったな。
そしてついには涙目になって、
《伊勢さんも日向さんも私をイジメないでください……て、提督は榛名と山城さんを同等に愛してくれますよね!?》
「それは当然だけど、榛名もこの会話だけで動揺しすぎだぞ」
《そ、それはそうなんですけど榛名も急に不安になってしまいまして……》
「不安になるって事は榛名も提督との間に少なからず溝があるって感じているんじゃないか……?」
そこに日向が追走した。
それで榛名は《そ、そんな……! 榛名は……》とさらに動揺してしまっている。
そろそろ榛名が可愛そうになってきたので、
「日向に伊勢、この辺でそろそろ勘弁してやってくれないか……? 後でなにか奢ってやるから」
「言質は取ったぞ、提督」
「そうだねー。やりぃ!」
「ついでに今日は伊勢の進水日でもあるんだからなにか買っておくとするよ」
「あ、私の事覚えていてくれたんだね。提督、やるねー」
そんな感じで二人は榛名も構うことが出来たのか上機嫌で満足そうにその場を離れていった。
残された私と最上はというと、
「……あの、榛名さん? あの二人も悪気があったわけじゃないから、そのですね……あ、だとするとなお性質が悪いですね……うーん……」
《わかってますよー……あの二人の話に乗ってしまった榛名もいけなかったんです……もっと気持ちを強くしないとですね》
「そうだな。榛名ももう少し状況にあった対応をしていかないとまたからかわれてしまうからな」
《でも、提督ももっと早く助けてほしかったです……》
「うっ……それは、ごめん」
「あはは。提督も恋愛ごとに関してはまだまだ素人だからねー。山城もこれは大変そうだねー」
「
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