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提督はBarにいる。
風邪引き提督と艦娘達・1
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てた様子で翔鶴が駆け込んできた。

「だ、大丈夫だ。少し咳き込んだだけで……ゴホ」

 それよりも、翔鶴が抱えているお盆の上の中身が気になるんだが。

「いい匂いがするな……それは?」

「提督が風邪で寝込んでいると聞いて、お粥を作ってきました。本当は皆さん来たがったのですが、たまたま非番だったので私が」

「そうか、悪いな」

「いえいえ、私も仮とはいえ提督の妻ですから。具合の悪い時くらい頼って下さい」

 しかし料理上手の翔鶴が作ったお粥……これは期待せずにはいられまい。翔鶴に手を貸してもらい身体を起こし、座らせてもらう。翔鶴はベッドの脇に置いてあった椅子に腰掛けると、お盆の上の土鍋の蓋を開けた。途端にふわりと香ってくる、美味そうな匂い。

「白粥の方が良いかとも思ったんですが……中華粥にしてみました」

「いや、助かる。実はあんまりお粥ってのが得意じゃなくてな」

 あの味の薄い、如何にも病人食って感じの白粥は昔から好きになれない。数少ない風邪を引いた時にも、雑炊やうどんにしてもらって白粥は避けた程だ。

「なら良かった……まだ少し熱いので、冷ましますね」

 翔鶴は土鍋から持ってきていた茶碗によそい、匙に取ってふぅふぅと息を吹き掛けている。

「はい、あーん♪」

「……いや、流石にそれは恥ずかしいんだが」

「むぅ、調子の悪い時くらい思いっきり甘えてくれてもいいんですよ?」

 流石に四十も後半に差し掛かったオッサンが、見た目は20代中盤位の女性にあ〜んされるのはキツい、というか恥ずかしい。もう少し歳を喰ってジジィならば介護の予行演習だ、とでも割り切って大人しく世話されるが。

「あ〜ん!」


 しかし押しに弱い翔鶴、今日は諦めない。粥が入った匙を俺の口の前に突き出し、開けるまで動かしません!といった格好。俺も腹が減ってるし、食べずに泣かれても困る。

「あ、あ〜ん……」

 観念して口を開けると、そっと差し込まれる匙。口を閉じたその瞬間、口の中に広がる鶏肉の旨味と生姜とごま油の香り。それに……コリコリという歯応えはザーサイだろうか。塩味だけの白粥より断然食べやすいし、美味い。

「うん、こりゃあいい。身体も温まるし、何より美味い」

「そうですか!?まだまだありますから、いっぱい召し上がって下さいね♪」

※翔鶴特製・中華粥のレシピ(1人前)

・ご飯:茶碗に軽く1杯

・生姜:1片

・青ネギ:1/2本

・鶏むね肉:50g

・薄口醤油:小さじ1〜

・塩:少々

・ごま油:小さじ1/2

・鶏ガラスープの素やウェイパー等:お好みで

・いりごま、ザーサイ等:お好みで


 鍋に500ccのお湯を沸かし、沸
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