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霊群の杜
水虎
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げ惑う静流。
大爆笑しながら動画を撮る姉貴。
俺の病室は瞬時にして、修羅の巷と化した。奉絶対許さん!と憤る反面、俺は妙にほっとしていた。魂ごと消滅してしまった草間には、大変に済まないのだが。喧噪の中、俺は密かに思い出していた。
奉が云っていたように水虎が『システム』なのだとしたら、喰らう魂を選ぶ基準というのはあるのだろうか。
…いや、きっと基準なんてないのだろう。『選ばれる』とか『選ばれない』とか、そんな発想に至る時点でそれは人間の傲慢なのだ。基準があったとしたら『一番近くにいたから』とか、そんなしょうもない理由なのだろう。そして人の葬り方が法律で定められてしまった昨今、水虎に対抗する手段は俺達にはない。来年『選ばれる』のは、俺か、それとも…。

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