外伝
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
ん」
「ふん、まぁいい。それより名前を教えてくれ」
「え、あ、」
と戸惑っていると
「アルシール、なにをしている。馬の世話が終わったら、次をやらんかい」
と奥の方から、男性の声がした。
「すまない。では、私はこれで」
と言って、アルシールは立ち去って行った。
そんな彼女に自分の名前を教えなくては、と思い叫んだ。
「わ、私の名前は、ハル」
それから馬小屋の前を通るが、アルシールとは、出会わなかった。
そんなある日、お祭りの中に馬に乗り騎士甲冑を身に待とう、アルシールの姿があった。
「あれが、噂の姫様じゃい。天にも選ばれているし、こりゃあ後の王さまじゃな」
と町の人が、噂をしている。
「あのお方のもとで、働きたい」
そう思った私は、王制学校に通いつめ騎士となった。
砲銃騎士と言う、砲術師の最高の名誉を手に入れて、そして女性の立場で、あのお方の護衛部隊の一員となった。
「諸君、私はアルシール。姫ではなき、ただ1国の騎士である。そう思って動くことを皆にも、理解しておいてほしい。それから、・・・ハルか?」
とアルシールが部隊挨拶をしていると、私の名前を告げた。
「そなた、馬小屋であったハルか?」
「は、はい。アルシール様」
とアルシール様は、私のことを覚えてくださっていた。
それからは、アルシール様といくつかの戦場を越えて、護衛部隊の隊長になり、身近を共にする側近となった。
しかし、戦いは激しさを増していき、色合いが悪くなったとある日、アルシール様が、急に言い出した。
「ハル、よく聞いてくれ!そなたは、私の変わりに世界を見てきてくれないか?」
「え?」
「バビの所にいる間者から、噂を聞いた。その話によると、バビとアケニアで、同盟を結ぼうとしている。そして、我がブテンにも」
「同盟を結び、その後は1国となるが、私は、そう簡単には動けそうにない、なので私の変わりにそなたが私の目となり、耳となって世界を教えてくれないか?」
「そんな、アルシール様も一緒に行けるときに、行きましょ」
「それでは、ダメだ」
「え、嫌です。私は、アルシール様と一緒に」
「すまない」
「アルシール様、ちょっとロイス様、ウェイン様、ミーリー、スー、話してください。アルシール様、アルシール様」
「くぅ、ロイス!やれぇ!」
ハルから背を向けたまま、アルシールはロイスに命令した。
「は」と言うと、剣の柄の部分で私のお腹を突き立てた。
「う、な、なぜですか、アルシール、さ、まぁ」
私は、気を失って行った。
「すまない。我が心、ハルよ!そなたを一人ではおいてい
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ