世界
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旅に出たがる理由だ。
さて、このスープはどうするものか・・・
周りを見ていると、スープの中の細長いものを掬い上げ、それに息を吹きかけて食べている。
それを真似して食べようと箸を取り、掬い上げる。と白く細かなそれを見ていると、食欲を湧き立てられて息を吹きかけずに口の中に運んでしまった。口の中に入れると、熱々しく悶えた。
「ダルフ、今回は周りをちゃんと見てから食べ始めたのに、なんで麺を冷まさなかっただ」
と厨房からソルスが腕を組みながら訪ねた。
「め、麺」
「その細長いのよ」
とダルフは、器から麺を掬い上げた。
「それが麺。麺も熱々、スープも熱々のラーメンなの、背脂強いから余計に熱い。火傷するぞ」
とソルスの言葉と同時に、周りにいた人たちが大笑いした。それを見たシロンは息を吹きかけ十分に冷ました。ハルは箸で掬い上げた麺をスプーン受けながら息を吹きかけ冷ます。ダルフも息を吹きかけて食べる、緑の刻みも麺やスープと一緒に消えて行き、輪切りの焼肉は固みありジューシーで美味しく。最後に白濁の背脂スープを飲み干す。
「ごちそうさまでした」と3人揃って言うと、ソルスが「お粗末」と言い返してきた。昼ご飯を食べ終えると同じく先遣隊も戻ってきた。
先遣隊と言うと軍で戦場の物見ぽいが、そう荒々しくも無くただの情報収集係だった。
「うわぁなんて美味しんだ。今日はラーメンですか」
とシュルスはダルフとシロンの間から顔を出した。
「こらシュルス、行儀悪い」
シュルスの行いに、ソルスは喝を入れる。
シュルスは謝りながら、手洗い場から戻ってきて椅子につき、ラーメンを食べ始めた。ラーメンを食べていると、シュルスが言った。
「そういえば、すぐそこの街にスットマンていう、あんたらのお目当てがいたよ」
ガッタ・・・
「スットマンだと。そいつは今どこにいる。」
ラーメンを食べているシュルスの肩を掴みかかり、訪ねる。
「うわぁああ、汁が溢れるよ」
「行儀悪い」
ドン
シュルスはラーメンの器を支え、ダルフはソルスに木の棒で頭を叩かれた。
「う、うううう」
「すぐそこの、ハニルって街だよ。なんかごたついていたし、俺らは先遣隊。物事にかかわらずに穏便に済ませるのが任務だからね。すぐに戻ってきたけど」
「ハニル・・・近いな。どんくらい前だ」
ダルフがさらにシュルスに追求する。
「え、ええ。さっきだよ。太陽がまだ動いてないよ」
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