ペルソナ3
1876話
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対してそれ以上何も言う事は出来ない。
真田の自分を見る目が厳しいものだったからだろう。
「何で? 本当に分からないのか?」
そう言いながら、真田は俺の方に視線を向けてくる。
俺が説明するのではなく、真田が自分で説明するという事だろう。
いやまぁ、それは別にいいんだけどな。
どのみち順平にとって、俺はクラスメイトでしかない。
そんな俺に説明されるよりは、尊敬する――かどうかは分からないが――先輩に説明して貰った方がいい筈だ。
そんな訳で、真田に対して頷きを返す。
「お前1人でタルタロスに挑んでいるならともかく、今回は俺達が一緒だろう。ましてや、このパーティのリーダーは有里だ。その有里が指示を出す前に自分だけの思い込みで突っ込んでいくというのは、どう思う?」
「それはっ! けど、実際俺がシャドウでしたっけ? それを倒したんだから……」
「そうだな、倒せたな。……ただ、シャドウの中でも最弱のシャドウだったから助かったようなものだ。大体、シャドウを倒した横薙ぎの一撃も、偶然当たったにすぎないんだろう?」
「ぐっ!」
真田の言葉が図星だったのだろう。順平は言葉に詰まり、それ以上言い返す事は出来なくなる。
「お前が自分だけで行動したいのなら、俺達とは別に行動してもいいが、どうする? 言っておくが、タルタロスにいるシャドウというのは、かなり強い奴も多い。お前のように1人で暴走するような真似をしていれば、それこそ死ぬ事になるぞ」
「それは……」
冗談でも何でもなく、真面目にそう告げている真田の言葉に、順平は俺と有里へ視線を向けてくる。
だが、俺がその視線に何かを言うことはない。
今回の一件は、あくまでも有里達だけで解決しなければいけないことなのだから。
ここで俺が下手に言葉を挟もうものなら、余計に拗れる事になるのは想像するのも難しくはなかった。
「ごめん、僕も次からはもう少し早く指示を出すよ。けど、順平も1人で突っ込むのは止めてくれないかな」
「……分かったよ。リーダー様の言う事には従いますよ」
有里の言葉に頷いた順平だったが、それは見るからに不承不承といった様子だ。
まぁ、英雄願望の強い順平にしてみれば、自分の行動があっさりと否定された事が面白くないのだろう。
ましてや、真田が有里の味方をするのも面白くなければ、その有里が自分達のリーダーだというのも面白くない……といったところか。
この辺、出来るだけ早い内に矯正しておかないと、将来的に順平が痛い目に遭うと思うんだが。
後で桐条に言っておいた方がいいだろうな。
そんな風に考えている中でも、取りあえず不承不承ながら順平が有里の言葉を認めたという形になり、話は一旦収まる。
そうして再び2階の探索を開始し
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