EX回:第21話(改2)<艦娘たちの夢>
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月雨は下を向いている。
武蔵様は続ける。
「落ち込むな。もしお前が、その気持ちを持ち続けるならば、いつか必ず願いは叶う……私がそうだったから」
「願いは……かなう?」
五月雨は武藏様を見詰めて復唱している。
うちの艦娘たちも顔を見合わせているが……まぁ彼女等にはピンと来ないだろう。
そもそも艦娘の存在自体が軍人や艦艇の無念さ或は、夢や希望が昇華し具象化した存在だ。
武蔵様には、その自覚があるのだろう。
(それが無ければ、さきの台詞は出て来ない)
やはり大きい艦娘だ。
見れば五月雨の瞳から一筋の涙が流れた。それでも微笑んだ彼女は涙を拭った。
「……分かりました。有難うございます」
純粋な笑顔だった。艦娘でも、こんなに自然な笑顔が出るんだな。その初々しさは新鮮な印象だった。
五月雨の青く長い髪が月明かりを反射し南国の夜風にサラサラと流れる。本当に、この子は妖精みたいだな。
彼女は再び笑顔で私たちに一礼すると改めて敬礼をした。
「失礼しました、皆さん。改めて、ご案内致します」
そして彼女は私たちの先頭に立った。
私と美保の艦娘たちは、互いに顔を見合わせて頷いた。
「あぁ、頼むよ」
この鎮守府は、ちゃんと艦娘同士で支え高め合う関係が出来ている。
私も無事に帰還できたら美保鎮守府でも、そういった関係を築きたいと決意した。
綺麗な夜空に浮かぶ南国の月はダイヤモンドの如く明るい。
明日も晴れだな。
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