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星雲特警ヘイデリオン
番外編 星雲特警メイセルド
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求めて飛び去ってしまう。

「あっ……! ま、待ってくれ! 君は、やっぱり……!」

 メイセルドは慌てて後を追おうとするが――泣き?る赤子に気を取られ、足を止めてしまった。彼を追うより今は、この赤子を保護せねばならない。そう、感じたからだ。
 それに恐らくは……あの機竜も、それを望んでいる。メイセルドは飛び去る機竜の背を見送り、そう当たりをつけていた。

(……いつかまた、どこかで……逢えるだろうか)

 そして――消耗品のように扱われながらも、「命」を守るために戦ってくれた彼との再会を、密かに願う。

 ――だが。

 次にメイセルドが、彼に会えたのは……「最悪の機竜暴走事故」の現場である、無数の墓標が広がる草原であった。
 事故の調査を依頼されていた彼は、その地で……天を仰ぐ「人」としての最期を、「命」の終わりを。その眼に、確かに刻んだのである。

 ◇

 ――グラム・ファーフニルは、世界でただ1人「意志」を持つ機竜であった。だが、その事実を知る者はいない。

 本来自我を持たない「消耗品」でしかない機竜の中にそんな個体がいると知れれば、何をされるか分からないのだ。……そうなれば、周りと変わらない機竜のふりをして、彼女を守ることもできなくなる。
 将来を誓った幼馴染を、この不条理から守ることも。

 彼女は――アリエッタは、グラムのような特異な存在ではなかった。自分の意志を持たない、ただ戦うだけの機械に成り果てていた。
 それでもグラムは、彼女を命を賭して守ろうとしていたのである。例え自分のことが分からなくても、もう昔のように語らうことができなくても。それでも彼にとって彼女は、アリエッタなのだ。

 ――そんな2人は機竜の兵隊として、この惑星レトゥロインに派遣されていた。シルディアス星人と戦う星雲特警の、護衛役として。
 だが、彼らの前に待っていたのは「護衛役」とは名ばかりの、消耗品扱いであった。傷一つでも付けば修理する価値はないと看做され、生きながら盾にされる。蜂の巣になり、盾にもならなくなればあっさり放棄され、シルディアス星人の玩具にされる。

 グラム達を機竜に改造した「奴ら」は雑談の中で、星雲特警を「宇宙の平和を守るヒーロー」だと語っていた。そんな連中でさえ、機竜は「消耗品」であると見做していたのである。
 その現実を目の当たりにして、グラムは胸中で唾を吐いた。何がヒーローだ、と。

 そうして、星雲特警に不信を募らせながら戦う中で。グラムは不覚を取り、アリエッタとはぐれてしまった。
 ――僅かでも傷付いた機竜は、修理するより新造する方が安価で早いという理由で、すぐさま「廃棄」されてしまう。しかも味方であるはずの星雲特警達は、自分達の体格を盾に利用してくる。他の機竜達は、そもそ
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