ep2 矜持
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ードにはフラッグファイターとしての矜持を自分で証明したいという思いもあった。ダリルへ放った言葉が脳裏から離れず、何度もリピートされる。
ーーフラッグがこれ以上コケにされるわけにはいかない!
ハワードは機体を下降させ、陣形から外れた。
『ハワード!?』
ダリルの驚いた声がヘルメットに届く。ハワードはそれに応えることなく、ガンダムに接近する。そして、飛行形態からMS形態への空中変形を取った。人前で空中変形ーーグラハム・マニューバを見せたのは今が初めてだった。
フラッグの腕に収納されたプラズマソードを引き出し、ハワードはガンダムに斬りかかる。
ガンダムが大型の剣を手に取ってプラズマソードに対抗してきた。ハワードは間近に見るガンダムに向かって身を乗り出す。
「見たかガンダム!これがフラッグの力だ!」
何もガンダムと互角の力が必要なわけではない。自軍の機体を信じ、愛すればその思いは現実に繋がるのだ。
ーー俺はフラッグファイターとして、フラッグでガンダムを……。
そのとき、鍔迫り合いで散る火花の裏で、敵パイロットが笑ったような気がした。
警告音がコクピットに鳴った瞬間、機体の四肢やフライトユニットに小型ミサイルが突き刺さる。
「うぅおぉああッ!」
『ハワード・メイスンッ!!』
小型ミサイルが機体に食い込み、ハワードの身体が破損したコクピット機器に挟まれる。どこかの骨が折れる音がした。
頭部にもグサリと刺さり、メインカメラが破壊される。エンジンの勢いがが失せ、落下の浮遊感が動けなくなった身体に襲った。
真っ暗になったコクピットの中で、ハワードは仲間の声を聞いたような気がした。何か返さないと、と感じた彼は途切れ途切れの言葉を発する。
「隊長……。フラッグは……」
ーーやはり、我が軍の最新鋭機です。
自らの独断行動に悔いはなかった。この行いが、フラッグの新たな可能性に光を当てる気がしたからだ。
終
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