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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica6-Cその日、王は少女になる〜Sisters of Freiheit〜
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そう呟いた。

「彼女?」

上半身を捻ってリアウィンドウから外を見ると、歩道を走るトレーニングウェアを着た1人の女の子の後姿を視認できた。それでイクスが反応した理由も判ったけど、まずは『ルーツィ。出発するよ』って知らせておく。

「イクス。あの子の事は走りながら話すから、まずは車を走らせるよ」

「あ、はい! すいませんでした、急に声を荒げてしまい・・・」

「気にしないで良いよ。イクス、あの女の子のご先祖とイリュリア戦争に参加したんでしょ?」

後続車が無いことを確認して車を走らせ、双子の車も続いて発進したのを確認。

「ご存知なのですか?」

「そりゃまぁ仮にもここベルカ自治領ザンクト・オルフェンの管理を行うフライハイト家の人間だからね。古代ベルカ時代から続く血族がどこでどうしているかは監視しておかないといけないの」

フライハイト家と六家の仕事の1つに、子孫の監視というものがある。今さら世界統一なんて理由で馬鹿な戦乱を起こさないとは思うけど、気性の荒い当時の王族の性質を引き継いで、そんな馬鹿を起こす奴も現れるかもしれない。それを事前に察知して、説得なりして制止するのだ。

「そうなのですか」

「そっ。で、さっき走ってたのは知っての通りシュトゥラの覇王イングヴァルトの直系の子孫。名前はアインハルト・ストラトス。年齢は11歳。真正古流ベルカの格闘武術、覇王流カイザーアーツの継承者」

イクスの前にアインハルトの簡単なプロフィールが表示されたモニターを展開させる。住所や連絡先は伏せてあるけど、明かしてある「ザンクト・ヒルデ魔法学院の在校生・・・」という項目をイクスが読み上げた。

「イクスはヴィヴィオ達の在籍してる第3学年になるけど、アインハルトは最上級の第5学年ね。ただ、あの子にはちょっと問題があってね」

「問題ですか・・・?」

「わたしも資料でしか知らないんだけど、アインハルト・・・あの子、覇王イングヴァルトの記憶を受け継いでいるみたいなのよ」

わたしの話に「え・・・?」って信じられないって風に漏らしたイクス。わたしも一応は前世のシャルロッテ様とこの体を共有することも少なからずあったから、前世の記憶を持っていてもおかしくは無いって断言できる。

「だからかな。どうも友達も少ないみたいで、孤高の女子学生って感じらしいのね」

「・・・過去に縛られているのですね、彼女も・・・」

「だね。ヴィヴィオやフォルセティの側で時折姿を見かけるって報告が入って来るけど、直接的に関わろうとはしてないようなの。どう解決できるかも判らないし、今はとりあえず様子見だね」

何かしらの接点を、と考えると真っ先に格闘技が思い浮かぶ。ヴィヴィオもノーヴェを師事してストライクアーツを学んでるし。
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