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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica6-Cその日、王は少女になる〜Sisters of Freiheit〜
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「その・・・」って口ごもった。

「一緒に・・・寝る?」

こちらからそう提案すると、イクスは顔を上げて「よろしいですか?」って上目遣いで聞き返してきたから、抱きしめたくなる欲求を堪えて「もちろん♪」って答えながらイクスを部屋に招き入れる。わたしのはダブルベッドだから、イクスひとりが増えてもスペースは余裕なのだ。2人でベッドに入って、向かい合って横になる。

「イクスって結構甘えん坊?」

「あ、いえ。ごめんなさい」

恥ずかしそうに目を伏せるイクスをわたしは「良いんだよぉ♪ もっと甘えて〜?」って抱きしめる。わたしの胸に埋もれたイクスが「気持ち良いですけど、ちょっと苦しいです・・・」って身じろぎ。

「おっとっとい。ごめんね」

「ぷはっ。いえ、そんな!」

お互いに謝って、「ふふ♪」って笑い合う。そしてイクスは「ちょっと恐かったんです」そう言って、わたしの手を握ってきた。

「寝台で横になっていると、マリンガーデンという施設で皆さんと出会ったことが、目が覚めるとすべて夢・・・という恐怖が生まれたんです。そうしたら急に独りが寂しくて恐ろしくなったんです」

「そっか。でも大丈夫だよ。イクスはちゃんとここに居る」

指を絡めるようにイクスの震える両手を握り返す。それでイクスは安心したように「はい」と頷いて、そっと目を閉じた。イクスが寝息を立てるその時までずっと手を握って、「おやすみ」わたしも目を閉じた。

†††Sideイリス⇒イクスヴェリア†††

「・・・はっ!」

急に目が覚めた。周囲を見回して、昨晩と同じ天蓋付きの寝台に横になっているのを確認した。ただ、一緒に寝て頂いた「シャル・・・?」の姿はなかった。寝台から降りて廊下へと出る扉を僅かに開けたところ・・・

「あ、イクス、おはよう!」

「あ、はい、おはようございます、イリス!」

こちらに向かって廊下を歩いて来ていたシャルが私に手を振ってくれました。私も扉を完全に開いて挨拶をし返した。シャルはすでに普段着に着替え終えていて、「今日は総髪なのですね。似合っています!」と髪型を変えていたので感想を伝える。

「総髪?・・・あぁ、ポニーテールのことね。ありがとう♪ トレーニングをする時はポニーテールなの」

そう言って左手の中指にはめられている指輪を見せてくれました。確かアレがデバイスの待機形態でしたっけ。その綺麗な指輪を眺めていると、シャルから「イクス。お腹空かない?」と聞かれた瞬間、きゅ〜、とお腹から音が。

「そう言えば・・・。おかしいですね。昨夜、教会本部で美味しいお料理を頂いたはずですが・・・」

「あはは。実はねイクス。今、13時半なの。もう朝も昼を過ぎてるんだよ」

苦笑交じりのその言葉に私は「えええ!
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