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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
コラボ
〜Cross over〜
Determination;決意
[3/5]

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斬りかかっていた。

もはや隠すまでもないのか、その剣身からは眩いばかりの燐光が迸っている。

王クラス二人の心意。

その挟撃。

だが、迫りくる凶刃と凶弾の両方にさらされた相手の口元には――――いっそ爽やかとすらとれる笑みがあった。

―――うそ、だろ?

ガシィ!と不安定どころか足場すらない空中で少年はまず黒雪姫のほうに手を伸ばし、振り下ろす前の二の腕を強引につかみ取る。そしてそれをそのまま、振り下ろす黒雪姫自身の力も利用し、背後から迫る心意弾に向けて剣身を差し出した。

爆音が、響き渡る。

ニコが放った心意技《紅の炸裂弾(スカーレット・エクスプローダー)》は、その名の通り敵の内部で爆発する榴弾だ。機構も何もないエネルギー体である心意で構成されているため、爆裂するタイミングは使用者本人が判断しなければならないところが玉に瑕だが。

だが、今は黒雪姫がいる関係上、ニコ自身は爆発するように仕向けていない。

―――つーこたァ……!

爆炎が広がる宙空に、さらにダメ押しとばかりに機銃の掃射が突き刺さる。

そしてコンマ何秒後、球形の赤褐色の爆炎が薄れるのを待たず、その下部から二つの人影が吐き出された。

一人は対戦相手である紅衣の少年。その派手なコートの裾が破れ、首元に巻くロングマフラーはその半ばから切り取られているが、本体に目立った外傷はない。実際視界左上に据えられた体力バーも一割ほどしか減っていない。

しかし、その僅か後に続いて爆炎から落下したアバターはそうでもなかった。

絶対切断(ワールドエンド)》の代名詞と言うべき四肢の剣のうち、右脚は遠目でもわかるほどの大きな亀裂が走り、何より空中で敵に対して振り下ろそうとしていた左腕が半ばから爆散している。そして、その破片だろうか。アバター本体の黒水晶(モリオン)のような半透過アーマーに幾多の黒い破片が突き刺さっていた。体力ゲージは残り六割ほど。欠損部分があるのを加味すれば、かなりのダメージだ。

しかも、爆発の影響で三半規管にモロにダメージが入ったのか、受け身も取らずに地面に激突した。落下ダメージが入り、さらに体力バーが目減りする。

「あのヤロッ!ロータスを盾にしやがったのか!?」

背後のスラスターを使い、インビンシブルの位置を微調整していくニコは叫ぶ。

先に着弾した心意弾はロータスの手刀を利用しつつ防いだのだろうが、おそらくその後に続く機銃の弾幕はそのままの流れでロータスを己の前に投げ出したのだろう。平時ならば体躯の差から黒の王が振り回されることなどないのだろう。しかし戦場は踏ん張る足場もない空中だ。ただでさえアバターフォルムから体幹が弱そうなブラック・ロータスならばさもありなん、というところだろう。

―――いや
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