暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
コラボ
〜Cross over〜
Determination;決意
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
まとめて串刺しにされるのが早え!

実際、敵は心意を躊躇なく放っている。加速世界では心意は秘匿されるものだが、それも心意による攻撃を受けた今ならば、その限りではない。

遠慮躊躇なく、反撃できる。

がしょん!とニコは己が強化外装に指示を出す円筒形の接続部から片腕を離す。その腕はそのまま、左腰に装着されている小さなハンドガンを神速で引き抜く。

ゴウッ!と仮想の炎が空気を食らい尽くすような音が、小さなコックピットの中に響いた。

「《紅の炸裂弾(スカーレット・エクスプローダー)》!!」

高らかに宣言された技名発声に後押しされるように、鮮やかな赤に彩られた光弾が甲高い唸り声のような残響を残しながら飛ぶ。

だが、その行方を一々少女は見届けない。いっそ可愛らしいとさえ思えるデザインの小銃、そのキャッチーに膨らんだ銃身部分を、まるでリボルバーの回転弾倉(シリンダー)のように勢いよく回転させた後、もといた腰に吊るし直す。

そして再び接続部に手を伸ばした少女型アバターは、再度インビンシブルに号令を出した。

敵対者に死を。

主の意向を汲み取った鋼鉄の獣は、先刻のミサイル一斉射とはまた違う咆哮をあげた。

今度は機銃。

要塞という圧倒的重量に固定されているため、反動など銃手を考慮していない作りをした長大な銃口が、ミサイルの弾雨を掻い潜り、もはやしっかりとした足場もなく大空を舞う人影に向く。

ばあああああああああ!!!!

一つ一つの発射音が重なりすぎて、もはや一塊の轟音にしか聞こえなくなった叫びが溢れだす。

曳光弾のようなエフェクトさえ見える大口径弾は、それぞれが対物ライフルの一撃と同等。マトモに直撃しなくとも、掠っただけで部位を丸ごと抉り飛ばすエネルギーを含んでいる。ミサイルと違い、触れた時点で脚が消し飛ばされるだろう。

―――その前に、その状況からあたしの心意弾からどうやって避ける!?

今度こそコックピットからその趨勢を見守るニコは、そこで見た。

ぞろり、と空に浮く少年の周囲の空間が炎天下のアスファルトのように捻じ曲がるのを。あまりに高密度のエネルギーが空間に与える不安定さを。

「――――ちィッ、クソッ!あくまで正面突破か舐めやがって!!」

青白い月光の夜空。それを侵食するかのような暗色の濁った過剰光が放出された。

びりびりと肌で感じるプレッシャー。あの前では機銃の掃射も、自分の放った心意技も等しく薙ぎ払われるだろう。

だからこそ。

「ロータス!!」

「ぜあああぁぁッ!!」

鋭い叫び声と、凛とした気勢はほぼ同時だった。

レベル9の圧倒的なステータスをもって大跳躍した漆黒のアバターが、地上十数メートルを落下する紅衣の少年を背後から
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ