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転生とらぶる
ペルソナ3
1874話
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「うおおおおおお……げふっ」

 真っ直ぐに突っ込んできた順平が、そのまま俺に攻撃を回避されつつ足を引っかけられて転ぶ。
 現在俺が……俺達がいるのは、寮の屋上。
 ある程度の広さがあるので、本格的な戦いは無理でも、多少の模擬戦……いや、模擬戦の真似事くらいであれば、やるのは問題ない。
 そこで模擬戦の真似事をしているのが、俺と順平な訳だ。
 模擬戦の真似事をするようになった理由が、順平の口から出た、俺が強いのはゲイ・ボルグのおかげという言葉。
 いや、それは決して間違っているとは思えない。
 実際、ゲイ・ボルグは宝具と呼ばれるだけあって非常に強力な槍なのだから。
 そして俺がゲイ・ボルグをメインの武器にしている以上、順平の指摘はある意味で正しいのだ。
 もっとも、それはある意味であって全面的ではない。
 ともあれ、そんな俺達の会話を聞いていた真田が提案したのが、この模擬戦の真似事だった。
 今日は影時間になったらタルタロスに行く予定なんだから、出来れば体力を使わせない方がいいと思うんだが……そう言っても、真田の薦めに順平もやる気になっており……その結果がごらんの有様となっている。
 順平は別に喧嘩慣れをしている訳でもなければ、武道系の部活をやっている訳でもない。
 いたって普通の……それこそ、どこにでもいる高校生の男でしかない。
 ポートアイランド駅の裏側にいるような不良とかなら、多少喧嘩慣れをしていたりもするんだろうが……残念ながら順平は喧嘩をした事も殆どないだろう。
 結果として、こうして思い通りに身体が動かずにいるのだが。
 これで順平が有里のように冷静に己の現状を確認出来るのであれば、また違った展開もあったかもしれない。
 だが、順平は頭に血が上りやすく、猪突猛進になりやすい。

「まぁ、こんな感じだな。他にもペルソナは使えないけど魔法とか使えるぞ。見るか?」
「……いや、いい」

 少し落ち込んだ様子を見せる順平だが、それを見た真田は俺に向かって小さく頭を下げた。
 あの真田が頭を下げるというのは珍しいが、テンションが高まっていたままの順平をタルタロスに連れて行くというのは、かなり危険だったのは間違いない。
 順平は言わば、自分は選ばれし者であると、そう思っていたのだ。
 いや、それは別に間違っている訳ではない。
 実際影時間に適性のある人物というのはかなり少なく、選ばれし者という表現はそれに合っているのだ。
 だが、選ばれたからといって、イコールその人物がヒーローという訳ではない。
 ……いや、この世界に何らかの原作があるのは間違いないのだが。
 ただ、順平の性格を考えると……恐らく原作ではヒーローではなく、己の我を通そうとして周囲に当たり散らしていたりして、桐条達の足を引っ張っていた
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