ペルソナ3
1874話
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いという思いの方が強かったらしいし。
その辺は特におかしくはないと思う。
そうしてそろそろ夕食の時間になり……俺に取ってはかなり意外な事に、今日の夕食は有里が作ることになった。
出来た料理も豚肉の生姜焼きと、たっぷりのキャベツの千切り。それとワカメと大根の味噌汁に漬け物というかなり簡単な料理だったが……味の面ではかなり美味かった。
それを見て、桐条は複雑な表情を……そしてゆかりは、少しだけ悔しそうにしていた。
桐条の場合は、桐条グループの令嬢ということもあり、料理が出来ない……いや、やらせて貰えなくてもそこまでおかしいとは思えないが、ゆかりの場合はそうではない。
いや、聞いた話だとゆかりの家も桐条グループに連なる家らしく、相応の金持ちだったらしいが……ともあれ、それでも桐条のようにお嬢様って訳ではなかったのだろう。
だからこそ、有里に料理の腕で負けたのが悔しかったらしい。
いや、本当にゆかりに料理が出来るのかどうかは、俺にも分からないけどな。
ただ、何となくそう思っただけだ。
ともあれ、そんな複雑な夕食も終わり、やがて影時間が近くなる。
「……うん? 出ないな」
そろそろタルタロスに行くという事で、荒垣を呼ぼうと思ったんだが、電話には出ない。
喧嘩でもしてるのか?
そんな風に思ってしまうのは、やはり荒垣の外見が関係しているからだろう。
勿論、実は誰かの世話を焼いていて、携帯に出られないだけという可能性も否定は出来ないが。
「ん? どうしたのだ?」
携帯を掛けている俺を見て、桐条が尋ねてくる。
紅茶を楽しんでいたのだろう。これからタルタロスに行くというのに、緊張している様子は全くない。
この辺り、何だかんだともう何年も影時間やタルタロスを経験してきたが故の余裕といったところか。
……向こうで、まだ影時間にもなっていないのに、ガチガチに身体が固くなっている順平とは、大きな違いだ。
ちなみに順平の武器は、有里が持っているのよりも一回りくらい大きな長剣だ。
両手剣という奴だな。
その重量で、手数では有里の持っている片手剣に負けるが、逆に一撃の重さでは勝る。
そんな武器だが、順平の性格には合ってるのかもしれないな。
有里に自分の両手剣を自慢している順平を見ながら、口を開く。
「いや、何でもない……って訳じゃないけどな。今日はタルタロスに挑むって荒垣に連絡しようと思ったんだが、電話に出ないんだよ」
「ふむ、なるほど。……荒垣の事だから、誰かの手伝いをしている最中なのではないか?」
「だろうな。俺もそう思うよ」
桐条も俺と同じ考えに至ったらしく、そう言ってきた。
「取りあえず、ちょっと荒垣を探してくる。影時間まではまだ時間があるけど、それ
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