第二十七話 騎士の参入その十一
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「やはり」
「式は挙げていないとな」
「結婚したとはです」
「言えないよな」
「どうしても」
「そうした儀礼も大事だよな」
「はい、儀礼はどうしてもです」
司祭即ち聖職者としてだ、順一はその重要性を認識していてそのうえで言うのだった。
「欠かせないものです」
「そうだよな」
「全く無視もです」
「どうしても出来ないな」
「人の世にあるならば」
それがどれだけ野蛮と言われる社会であってもというのだ。人には儀礼としうものが欠かせないというのだ。
「どうしてもです」
「結婚なんか特にそうか」
「冠婚葬祭はです」
この四つの時はどうしてもというのだ。
「必ずです」
「どんな場所でもか」
「儀礼があり」
「そこは守らないとな」
「よく思われません」
「織田信長さんなんかな」
久志はあちらの世界の日本の英雄を思い出した。
「親父さんの葬式でな」
「位牌に灰を投げつけていましたね」
「あれは究極の無作法だよな」
「まさに」
「それをやって余計にうつけって思われたんだったな」
「実は傾きでしたが」
織田信長は実はうつけではなかったのだ、むしろ幼い頃から抜群の頭の冴えを見せていた。
しかしだ、その傾いた身なりと振る舞いがだったのだ。
「しかし」
「それがな」
「周囲に理解されずです」
「うつけになっていたんだな」
「実は儀礼を守る時はです」
その織田信長もだ。
「しっかり守っていました」
「そうした人だったな」
「そうでした、そして騎士というものは」
「儀礼にだな」
「かなり五月蠅いものです」
「そうしたものだな」
「はい」
「そこは頭に入れてな」
久志も言う。
「今から行くか」
「そうしましょう」
朝風呂まで浴びて気持ちよくさせてだ、そのうえでだった。
四人は意気揚々と四人目の仲間となるであろう騎士のところに向かった、彼のいる場所はというと。
城壁のところにある塔の一つだった、まずは城壁に上がってだ。
その塔を目指す、その居場所は騎士団にいる兵の一人から聞いたが。
このことについてだ、源三はこんなことを言った。
「騎士様っていっても地味な仕事だね」
「塔にいて兵達と共に見張りをすることが」
「うん、戦場に行くだけじゃないんだね」
「見張りもです」
順一はその源三に微笑んで話した。
「騎士、もっと言えば軍人のです」
「大事な仕事の一つなんだ」
「そうなのです」
「戦があってもなくてもだね」
「見張りは基本なので」
「それで今はだね」
「私達が目指す塔で」
まさにそこでというのだ。
「見張りをされています」
「それがこの日のお仕事だね」
「これからお会いする方の」
その騎士のというのだ。
「そうなの
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