EX回:第17話(改2)<お山の大将>
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
開いているようだが、そこには感は無いようだ。
「寛代ちゃんが参謀に連絡してましたけど……本当に大丈夫でしょうか?」
「そうだな」
確かに調査するにしても時間が掛かりすぎだ。ある程度で見切りをつけて早々に切り上げるのがセオリーだろう。
だが艦娘とはいえ参謀は上官だ。その行動に関して私が何か言える立場ではない。それでも他所の土地だ。あまり危険な行動は謹んで欲しいな。
すると寛代が私の横腹をつついてきた。
「参謀が『安心しろ、うまくやる……』そう伝えろって」
「え?」
……っと思った。
私には寛代の、その言い方に、まるで参謀本人がそこに居る心地がした。
通信に特化した寛代だから、そう感じたのだろうか?
日向も苦笑している。
前から不思議な子だと思っては居たが今日は、なおさらだな。
「参謀は青葉さんの通信を使ったのかな?」
「いや」
「うまくやるって、何のことだよ」
「……」
寛代は無言。
(やれやれ良く分からんな)
急に無線封鎖したのか?
私たちのやり取りを見ていた日向は悟ったようにボソッと言った。
「参謀は何か掴んだようですね」
「そうか?」
美味しい餌(情報)でも見つけたのか? 確かに、そんな直感もする。
(あの技術オタクめ)
こりゃ厄介な予感だ。
今居る場所が工廠でオタク仲間の夕張さんも同行している。
(参謀はともかく残りの二人は好奇心の塊みたいな連中だからな)
そう思うと急にドキドキしてきた。
夕張さんは修理の為にと思って連れてきたんだけど、それも良し悪しだったな。
そうこうしている間にも料理は進む。
「はい、お待ち!『チキン南蛮』だ。タルタルソースは好きな方をかけて味わってくれ」
汗をかきながら提督が大きな声で呼ぶ。
「美味しそう、ぽいっ」
リクエストしていた夕立がハフハフ言いながら噛み付く。
(お前は犬か?)
……ちょっとは遠慮しろよ。
でも艦娘たちは美味しそうに料理を味わっている。それを見る提督も嬉しそうだ。
一方の私は不安で食事が喉を通らない。
ややシリアスな雰囲気になった私たちとは対照的に周りの艦娘たちは笑顔で楽しそうだった。その歓声が、なおさら私の緊張感を高める。
やがて提督は厨房を片付け始めた。
(そろそろお開きか)
彼は言う。
「さて今日は、そろそろ店仕舞いとするか。新米君達も部屋を用意したからそっちで、ゆっくりと休んでくれ。風呂は自由に使ってもらって構わんからな」
(外の屋台村も大分片付いたようだな)
私も立ち上がると不安を隠すように深々と頭を下げて礼を言った。
「何から何まで、有難う御座います」
私の態度に提督は、ちょっと感心したような表情を見せ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ